ネトレプコ早くも病気で「椿姫」をキャンセル

2008年1月17日、ROHにて。

14日の初日、あれだけ元気にすばらしい歌唱を披露してくれたネトレプコがなんと気管支炎を患って17日の第2回公演を休演してしまいました。ロンドンに来る前からその気があったそうで、それがぶり返したとか。残念無念。初日の余りの完璧さに天が嫉妬したか。

代役は急遽ニューヨークから夜行便で飛んできたErmonela Jaho(エルモネラ・ヤオと読むらしい)というアルバニア生まれの人ですが、17歳の時からヴィオレッタを歌ってきたそうです。今までにミュンヘン、ナポリ、トリエステ、マルセイユ、リルで同役を歌ったということはかなりの実力者と思われます。年齢は見たところ30代半ばぐらい。かなりやせ形で容姿的にはヴィオレッタにふさわしい人です。目が鋭く、時としてかなり怖い顔になります。写真は彼女のホームページlにありますが美人の部類でしょう。

歌唱ですが、これがなかなかのものでさすがにネトレプコの代役という基準で選んだだけのことはあります。とても上手いです。声質はコロラトゥーラ・レッジェロでネトレプコのリリコ・スピントとは対照的です。もし最初からこの人が歌っていたら今回のヴィオレッタはよかったなぁと言っていたでしょう。しかしネトレプコを聴いてしまった耳は最大限の賛辞を贈るわけには行きません。
まず、声量はネトレプコにかないません。高音は難なく出る美しい声ですが、中音からやや上あたりでのヴィブラートが気になります。スペクトル的にいえばネトレプコの声は一つのスムーズな形の山であるのに対して、ヤオのそれは多くの鋭い山が束になったような感じです。その山の束が時々分散してしまうんでしょう。
しかし今朝夜行便で到着したということは最良のコンディションではなかったはずで、演技の特訓も受けなければならなかったでしょうし大変過酷な条件だったと言えるでしょう。それにも拘わらずこのレヴェルの歌唱は大変立派で、しかも演技が実にスムーズでネトレプコのそれとほとんど違わなかったというのも驚きです。現代のソプラノ歌手の中ではトップクラスと言えるでしょう。

その他の歌手では、カウフマンは初日より今日の方が調子がよかったようです。しかし舞台上で自分の歌わないときに時折咳をしており、今後の舞台が心配です。キスシーンもあるしネトレプコから気管支炎を移されたかな?
ホロストフスキーも今日の方が固さが無くなってスムーズでした。しかしやはりこの人のイタリアものはどうもねぇ。「エフゲニー・オネーギン」の記事でも同じことを書きましたが、彼はロシアものに徹すべきです。
Gastoneを歌ったJi-Min Parkはほぼ同じか初日の方がややよかったか。Floraを歌ったMonika-Evelin Liivは初日同様よく声が出ていました。

管弦楽は初日の方がよかったような。今回はオケサイドで聴いたので指揮者の顔はよく見えましたが、ベニーニは結構指揮中にノイズを出す人であることが分かりました。時折うるさく感じます。楽団員の譜面もよく見えるのですが所々紙が貼ってあり、かなり音楽をカットしていることも分かりました。時にはまるまる1ページも!
写真はしゃがんで拍手に応えるErmonela Jahoです。
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by dognorah | 2008-01-18 20:48 | オペラ
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