12月も後半になってめっきりコンサートやオペラも減ったので最近は宴会モード突入
ある日は友人が若い女性達を引き連れて我が家を襲撃。食べ物は持ってきたり台所で作ったりしてくれたので私はワインを出すだけ。おいしい食事と弾む会話でしこたま飲んでしまった。 次いでこちらからワインを飲めそうな友人達を招待してワインと手作りの料理で歓待した。料理を褒められていい気になり、この日もワインを1本以上飲んで酔っぱらいモード。 クリスマスイヴはギリシャ人の友人に招待されてディナー。この日は車で行ったのでワインはシャンパンを含めてグラス3杯ぐらいに抑えた。料理はランゴスティンを使ったスターター、レヴァーと栗を使って複雑な味付けの第1メインと名前を忘れたが鳩より小さい鳥を使った第2メインなど数多く作ってくれて満腹に。日系の証券会社に勤めるイギリス人女性も来ていたがお母さんはギリシャ人なので彼女はハーフということになる。この人はカナダに本部があるある新興宗教らしい団体に取り憑かれていて、かなりの金がそちらに流れていっているらしい。友人に頼まれてさりげなく日本のオーム真理教の恐ろしい話をしてくれと事前に頼まれていたので一通り話し、金を出せ出せという宗教団体はその金でよからぬことをするので気をつけた方がいいという方向に持って行った。同席していたインド人もそうだそうだと相槌を打ってくれたが果たして何らかの効果があったかどうか。終わってからみんなで教会に行く話があったが私は疲れていたのでパスした。翌日聞いたらロイヤルアルバートホール近くの美しいカソリック教会で、豪勢なプロセッションが見ものだったらしい。ちょっと後悔。 クリスマスデーはギリシャ人女性の友人から2時開始のディナーに呼ばれていたが、用意してくれたガチョウがなかなか焼けず開始は4時頃になってしまった。彼女もギリシャ人で夫(別居中)はイギリス人。家に一杯絵が飾ってあるので訊いたら彼女の叔父が画家でよくプレゼントしてくれるという。彼女の少女時代から最近のものまで肖像画もあり、写真じゃなくて絵で自分の記録があるなんて素敵だなぁと感嘆した。娘はオックスフォード大学を出てナショナルギャラリーに勤めているというので絵画展を中心に話が弾んだ。こういう美術館は何年先の美術展まで企画しているのか質問したところ、5年以上先まで企画はあるとのこと。なかなか先の方までは公表してくれないのがもどかしいと言ったら、実は出展者との交渉が一筋縄には行かず、時にはぎりぎりまで決着が付かなかったりするので公表が遅れるのだとのこと。最近ヴィーンでティチアーノ展を見た話をしたら、実はヴィーンから貸して欲しいと依頼されていたティチアーノ数点のうち一つはとても傷みやすい状態だったので最後の最後に断った話をしてくれた。 彼女はピアノと共に声楽も習っており、我々の求めに応じて余興にコジ・ファン・トゥッテからドラベラのアリアを歌ってくれたが芸達者なのには感心する。 私が行くという話を事前に聞いて、ちゃんとクリスマスプレゼントを用意してくれていた。私は何も用意していなかったので恐縮の限り。 その後、前日に一緒だった日系証券会社勤めの女性の叔父さんの家に招待されていたが、お腹がいっぱいだったので飲み物だけということで訪問した。行ってびっくり、こんな豪壮な家を見たのは初めてというくらい立派な家だった。家は3階建てで部屋は恐らく10ぐらいあるのだろうけれど(案内してもらったが数えきれず)各寝室がすべて20畳ぐらいありそうでしかも全部オン・スイート。レセプションルームだって4つぐらいある。キチンだってアイランド付きでだだっ広く食事の用意をするだけでかなりの歩数が稼げそう。家族用の食卓がそのキチン内にあるが悠々と10人以上が座れる大きさだ。3階にはそこで独立して生活できるように小型のキチンも用意されている。 更に庭には結構大きな池もありその周りにバーベキュールームとスヌーカーなどができるゲームルームがある。スヌーカー台はプロが競技で使う本格的なもので、街のスヌーカー屋に置いてあるのは素人用の小型のものだということが初めて分かった。バーベキュールームでは今日のパーティのために豚を1匹丸ごと焼いたらしいが、まだ残っているから食っていけよと言われてもまだお腹はいっぱいでノーサンキュー。この一家もギリシャ人で大きなプラズマTVには衛星受信のギリシャ番組が映っていた。ギリシャ人というのはビジネスで成功している人が多そうな気がする。先日もやはり友人に紹介されてベルグレーヴに住んでいる金持ちのギリシャ人女性とナイツブリッジのイタリア料理店に行った。そこであのイージージェットの創始者である社長に会って彼女は挨拶していたが、その社長もキプロス出身のギリシャ人らしい。 とにかく今年のクリスマスはちょっと普段は話ができそうもない人たちと喋れて有意義だった。西へ北へと車を随分運転したがこのシーズンは道路も空いているので苦にもならなかったし。
by dognorah
| 2007-12-27 10:34
| グルメ
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Comments(9)
こんばんわ。ギリシア料理のエキスパートになれそうですね。クリスマス当日だけは、ロンドンを疾走できて気分がいいんだろうな。
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dognorah at 2007-12-28 10:25
ギリシャ料理という感じはしなかったですが、伝統的なイギリスのクリスマス料理でないことは確かです。ターキーが出てこなくてほっとしました。あれはおいしいものじゃないですからね。
ロンドンの道路は24日の夕方からとても走りやすい状態でしたよ。
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助六
at 2007-12-31 07:26
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素晴らしい年末でしたね。羨ましいです。
今年もホットで貴重な情報・ご感想を多数お伝え頂きありがとうございました。 日本ではブログも当初の新鮮味が薄れて息切れ気味とのコメントもあるようですし、仏でもまったく同様の論評を見聞きします。そうした傾向はあるのかも知れません。 海外生活者にはネットの日本語情報網は依然貴重ですし、劇場や美術館の出口での同好の方との立ち話の楽しさ・有意義さには流行り廃りもないでしょう。来年も負担と感じない範囲でお続け頂ければ嬉しいです。
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dognorah at 2008-01-01 11:03
助六さん、明けましておめでとうございます。また、励ましのお言葉ありがとうございます。仰る通り、ブログは私の訪問先も多くが更新頻度が落ちつつあるのが現状です。私も落ちていると思いますが、これはと思うものは自分自身の生きた証と考えて記録していっていますしこれからもそれは続けていきたいと思っています。そういう中で助六さんのコメントは元記事に比べて内容がとても掘り下げたもので教えられることが多く、書く方にとっては凄く励みになります。ぜひこれからもよろしくお願いします。
ところで今年はまたパリオペラもウォッチしなければと思っているのですが、例のストライキはもう収束したのでしょうか?
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助六
at 2008-01-02 07:10
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オペラ座の裏方ストは、1月7日までのスト予告を孤立しながら最後まで維持していた少数派労組が12月17日にスト中断を決め一応収束しました。
今シーズンの目玉上演の一つで「東京オペラの森」との共同制作だった小沢指揮カーセン演出の「タンホイザー」も小沢が振る7公演中最初の3回は演奏会形式となり、スト中止後は小沢が振らない最後の2回も含めチケット争奪戦となりました。 公務員優遇年金改革反対ストは、一般国民の支持も得ておらず、主要労組は諦めて政府との交渉を受け入れた形ですが、オペラ座の場合は国鉄・メトロなどと違って、強硬派の少数派労組系の裏方数人のストで舞台上演が不可能になってしまうところが特殊かつ「非民主的」です。
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助六
at 2008-01-02 07:11
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今や弱者の味方どころか公務員等特権的既得権益者の擁護機関に成り下がり、旧態依然の「対決姿勢」カルチャーを捨てない仏一部労組のアタマに古さには呆れますが、個人的には、日本を含め弱肉強食の経済リベラルが世界的趨勢となる中、フランス社会にはもう一つの社会モデル創出の可能性を探ってほしい気持ちはあります。しかしオペラ座ストはそうした生産的姿勢とは無縁と思います。
こうした事情で、年金問題はまだ最終的に決着したわけではなく、1月7日以降に少数派労組が再びスト予告を提出する可能性は除外できず、モルチエ監督も懸念を公言しています。こうした状況は20年来続いている形で、リスク・ゼロはないと言えます。数公演連続ストは珍しく初日が狙われる傾向があります。
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dognorah at 2008-01-02 08:41
助六さん、スト状況について詳しい解説をありがとうございます。サルコジ大統領の強硬姿勢が今のところ功を奏している形ですね。今後のストの可能性はまだ消えない中、傾向と対策のご教授感謝です。
年金問題はイギリスでもいつもストの起爆材料で、最近の郵便ストや地下鉄ストもそうでした。7日から予定されていた空港ストは回避される方向ですが。
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助六
at 2008-01-06 07:55
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年金問題について他労組に逆らい、唯一スト「中止」でなく「中断」状態を維持し続けていた少数派労組が4日、最終的スト「中止」を決めました。
オペラ座側によれば、これで年金問題によるストの可能性はなくなったとのことです。
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dognorah at 2008-01-06 10:39
助六さん、貴重な情報ありがとうございます。これでパリオペラ座は安心して予約できますね。
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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