楽劇「パルシファル」公演

2007年12月18日、ROHにて。

Parsifal
Bühnenweihfestspiel (Festival play) in three acts
Music and libretto: Richard Wagner

Conductor: Bernard Haitink
Original Director: Klaus Michael Grüber
Revival Director: Ellen Hammer
Set designs: Gilles Aillaud and Vera Dobroschke-Lindenberg
Costume designs: Moidele Bickel
The Royal Opera Chorus
The Orchestra of the Royal Opera House

Gurnemanz: John Tomlinson
Kundry: Petra Lang
Amfortas: Falk Struckmann
Parsifal: Christopher Ventris
Titurel: Gwynne Howell
Klingsor: Willard W. White
First Knight: Nikola Matišić
Second Knight: Krzysztof Szumanski
First Esquire: Harriet Williams
Second Esquire: Rebecca de Pont Davies
Third Esquire: Ji-Min Park
Fourth Esquire: Haoyin Xue
Voice from above: Pumeza Matshikiza

この演目の実演を見るのは初めてですが、音楽はすごく楽しめました。ハイティンクが指揮するとROHもすばらしい音を出してくれます。前奏曲が始まったとたんヴァーグナーが出現しました。非常にゆっくりしたリズムで美しいメロディが奏でられますが間を十分取ってゆったりと進む音楽を緊張感を失うことなく連綿と綴る指揮には心底感心しました。
過去にDVDを見たことがありますが、楽劇としての内容は全く取るに足らないつまらないもので、それは今回の実演でも同じ。進行ののろい物語と動作に閉口します。それでも舞台装置はよくできていて視覚的には音楽と同様楽しめました。第1幕第1場では多数の円柱が森を表現して様式美を出しています。また舞台幅一杯に設置されたテーブルと背景に置かれた鎧甲の像で構成される聖杯の場は厳粛で美しい。第2幕のクリングゾルの住居はサイケデリックなデザインと色調で面白い。第3幕第1場では歌舞伎の影響を受けた背景作りと石庭を思わせる野原もまあまあ。しかしそういう色調豊かな舞台を挟んだせいか宗教的な厳粛さというのは後退して舞台神聖劇的印象はほとんど感じられませんでした。衣装がまたいけてなくて、グルネマンツなんてGパンに汚れ邦題のぼろマントを引っかけたものだしパルシファルはトレーナー姿。王様だって浮浪者に王冠をかぶせたようなもので貧しい時代だったかもしれないけれどもうちょっと視覚的に不快感を与えないものにできないのか、と言いたくなる。
歌手はすべてよかったと思います。グルネマンツを歌ったトムリンソンは第1幕の長丁場を堂々と歌いきりました。所々声が霞むことがありましたが概ね迫力ある中低音は健在です。クンドリーを歌ったペトラ・ラングは昨年5月の「青髭公の城」以来ですが今回もよく声が出ていました。 パルシファルを歌ったヴェントリスは今まで「ムツェンスク郡のマクベス夫人」と「イェヌーファ(コンサート)」で聴きましたがひょっとして今回が一番よかったかもという出来でした。アンフォルタスを歌ったシュトルックマンはまあこんなものでしょう、特に不満はありません。それはクリングゾルを歌ったホワイトにも言えます。ホワイトは先日のコルンゴルトのオペラではかなり衰えを感じましたが今日はましでした。今日の合唱はあまりがなり立てることなくヴォリュームが全体的に抑え気味だったのはよかった。第1幕最後の聖杯の場での合唱はピアノでのハーモニーが美しく特に印象的でした。第2幕のFlowermaidenによる合唱も非常に美しいものでした。ということで音楽的にはとても満足しました。
写真は左からJohn Tomlinson、Christopher Ventris、Bernard Haitink、Petra Langです。
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by dognorah | 2007-12-19 23:28 | オペラ
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