アンドラス・シフ指揮フィルハーモニア管弦楽団

2007年12月9日、RFHにて。
András Schiff:指揮とピアノ
Philharmonia Orchestra

プログラム
シューベルト:交響曲第8番
シューベルト:ピアノソナタ、D840 Reliquie
シューベルト:交響曲第9番

二つの交響曲の間にピアノソナタを挟む珍しいプログラミングであった。シフとしてはどうしてもピアノを弾きたかったのだろう。シューベルトはピアノ協奏曲を残さなかったのでシューベルトシリーズとして一連のコンサートを企画したらこういう形にならざるを得なかったとも考えられる。ただ、交響曲2曲だけでも十分な長さなのに舞台セッティングのための小休止を加えて20分程度かかるソナタを付け加えたので今日のコンサートは2時間半を超える長さとなった。

未完成交響曲を実演で聴くのはとても久し振りである。ゆっくりしたテンポで非常に叙情的に演奏され、オケもすばらしい演奏で美しい仕上がりだった。しかも力強い推進力が感じられる演奏で荘重さもあり名演だったと思う。そして改めて名曲であると強く感じた。第2楽章が終わってまだ指揮者が腕をおろしていないのにフライイングの拍手があり大多数はそれに従わなかったものの雰囲気は壊れてしまった。

ピアノソナタは2楽章から成るもので、恐らく録音でも実演でも私は初めて聴く曲だと思う。第1楽章のModeratoは単純なメロディの繰り返しが多くやや退屈さを感じる。第2楽章のAndanteは美しい曲想でこちらの方は楽しめた。静かに終わり、ひょっとしてこれも未完成曲なのだろうか?と調べたらやはりそうらしい。Reliquieというのもそういう意味らしい。シフは意図して交響曲とピアノソナタの2曲の未完成曲を持ってきたに違いない。

第9番は8番と打って変わって冒頭のホルンからしてやや速めのテンポで演奏される。それに続くメロディも早めながら結構変動してダイナミックで躍動感がくっきり。全楽章を通じて基本的にこの傾向は変わらず。間を取るべきところは十分間を取り一瞬の静寂と余韻と緊張を感じながら説得力ある演奏は淀みなく続いた。それにも拘わらず今日の演奏は“天国的な長さ”となった。演奏時間が60分を優に超えたからである。恐らくシューベルトの指定した繰り返し指定を忠実に履行したためだろう。途中楽員が何度も譜面を反対方向にめくるのを目にしたし。格調の高い立派な演奏だったし滅多にできない経験だけど第4楽章などさすがに長いなぁと感じた。しかしある部分の繰り返しの冒頭で過去に聞いたことがないような颯爽としたフレーズがあり、はっとさせられもしたのだった。
写真はピアノ独奏後のAndrás Schiff。
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by dognorah | 2007-12-10 23:52 | コンサート
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