ロッシーニ「セビリアの理髪師」公演

2007年11月24日、ヴィーン国立歌劇場にて。
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II barbiere di Siviglia
Commedia in zwei Akten von Cesare Sterbini nach dem gleichnamigen Lustspiel von Pierre-Augustin Caron de Beaumarchais

Musik von Gioachino Rossini

Dirigent: Paolo Carignani
Nach einer Inszenierung von Günther Rennert
Regie: Richard Bletschacher

Graf Almaviva: Javier Camarena
Bartolo: Alfred Šramek
Rosina: Elina Garanča
Figaro: Adrian Eröd
Basilio: Janusz Monarcha
Fiorello: Hans Peter Kammerer
Ambrogio: Michael Kuchar
Marcellina (Berta): Åsa Elmgren
Ein Offizier: Erich Wessner

Orchester der Wiener Staatsoper
Chor der Wiener Staatsoper

なぜかこの演目は今シ-ズン今日だけのたった1回の公演です。
舞台は写真のように三階建てのバルトロの家が最初から最後まであり、各階の壁やシャッターが開いたり閉じたりして家の内外を表現するもので、ずっと見ていても味があってとてもよくできていると思いました。人物の出入りもオケピット出入り口から階段で舞台に上がれるようにもしてあり変化をつけるとともに機能的でもあります。台詞のない下男役が結構舞台をうろちょろしてそれなりに意味のある動きをしているのも好ましい。二年前にコヴェントガーデンで見ているので筋はかなりしっかり頭に残っています。その記憶からすると今回はあちこちカットが入っているようです。例えばロジーナがリンドロに裏切られたと思って怒るところで家具を蹴飛ばしたりして荒れ狂うのですが、それがなくて一瞬怒るだけとか。

上記配役のうち、アルマヴィーヴァ伯爵は当初Antonio Siragusaが歌う予定だったのがキャンセルになり、ヴィーン初出演のメキシコのテノール、カメレナになりました。シラグーサだったら最後のアリアCessa…を歌う場面はカットされなかったはずなのに残念。
でも、このメキシコ人テノールはなかなかいい声をしていて、1幕最初のアリアは美しい高音が楽々と出ていました。歌はいいのですが、この人の顔を最初に見たとき「ひょっとして中国人?」と思ったくらい顔が扁平な東洋系で、ちょっとアルマヴィーヴァというイメージではありません。恐らく東洋人の血が入った混血なのでしょう。メキシコでの初舞台が「連隊の娘」のトニオなのでハイCがちゃんと出せるということですね。既に、MET、パリ、チューリッヒ、ドレスデン、マドリード、などの有名舞台で歌っているのでかなり実力がありそうです。でも、Cessaは無理だったみたいですね。

お目当てのガランチャは、最初の声があまり好調とは思えず心配しましたがだんだん調子を上げて、例のUna voce poco faは絶好調!ニュアンス豊かで大きな声量を生かしたダイナミックレンジの広い歌唱が得も言われぬすばらしさで参りました。最初は2階のバルコニーで歌い始め、螺旋階段を下りて後半は舞台上で、そして歌い終わるとまだオケが鳴っている間に階段を駆け上がってバルコニーから大歓声に対して挨拶します。優雅!

フィガロはヴィーンでは八面六臂のエレートで歌はいつものすばらしさながら、イメージ的にはちょっと体が細すぎてフィガロの存在感が感じられない印象です。バルトロはとても演技が上手い人で、ちょっとした仕草で観客の笑いを取ります。声があまりよくないのが残念。ドン・バジリオは低音がきれいに出ていて特に文句なし。ベルタを歌ったエルムグレンもなかなかいい歌手と思いました。

指揮のカリニャーニは序曲の前半はあまりよくなくオケの音も普通という感じでしたが後半から弦もまとまりが出てきてロッシーニらしい雰囲気になりました。幕が上がってからはもう手慣れたものという感じで歌手も歌いやすそう。ちなみにオケはいつもの主力部隊がいなくて留守部隊と思われます。ヴィーンフィルがどこかへ公演旅行をしている?
上の写真は終演直後の舞台、下の写真は左からPaolo Carignani、Elina Garanča、Javier Camarenaです。
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by dognorah | 2007-11-26 21:46 | オペラ
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