Music of Today - Nicholas Mawの音楽

2007年11月15日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールにて。

出演
Edward Gardner: conductor
Hue Watkins: piano
Gillian Keith: soprano
Ensemble of Philharmonia Orchestra(10人)

プログラム
Nicholas Maw: Personae IV & V for piano solo (1985)
Nicholas Maw: La Vita Nuova for soprano and ensemble (1979)

c0057725_161488.jpgイギリスの現代作曲家ニコラス・モー(1935年生まれ)は作風が分かりやすい音楽と言われていてアメリカでの人気が高いようだ。私は聴いていないが「ソフィーの選択」と言うオペラが近年ROHを始め欧米で上演されている。会場には作曲家自身もいたが舞台には上がらず、作品に関する論評は主宰のJulian Andersonと指揮者Edward Gardnerの対談で行われた。ピアノ曲はMawの一連の作品の中でも特殊な作品とのこと。La Vita Nuovaは管弦楽的にはシンプルな構成だが奥の深い作品とENOの音楽監督でもあるガードナーが解説していた。実物は写真よりずっと好々爺的で親しみを憶える。

Personae IVは割とおとなしい音とメロディで始まるものの途中から高音部を多用した現代的な音が飛び交う。最後、コンスタントに奏でられる低音部をバックにチャイムの音のような高音部がディミヌエンドしていく様は美しい。Personae Vはまるでストラヴィンスキーの「春の祭典」のようにめまぐるしく音やメロディが変化する作品でそれがほぼ全体を支配している。打鍵も指だけではなく時に肘を使ったりして激しい音を出す。これも最後は高音が消え行くエンディングが採用されていて余韻が残る。どちらも5-6分の長さ。面白い曲と思った。

La Vita NuovaはBBCの委嘱で作曲され1979年にPromsで初演されたもの。ルネッサンス時代の次の5人の詩人の作品にそれぞれ曲をつけたもので、これは名曲と思った。
I Sonnetto (Guido Cavalcanti)
II Madrigale (Matteo Boiardo)
III Tacciono I boschi (Torquato Tasso)
IV Madrigale (Michelangelo Buonarroti)
V Il Sogno (Gaspara Stampa)
実に美しく高貴な香りが漂うようで聴き惚れた。最初の曲などホルンに乗って歌われるがわくわくする歌だ。歌手はカナダのソプラノで2000年のKathleen Ferrier Awardで優勝した人。音の高低と強弱の組み合わせによるニュアンスの表現が繊細でとても上手い。
ちなみに5人の作詞家のうち一人はあの有名なミケランジェロ。詩も残していたとは。

写真は左端がソプラノのGillian Keith、右側が指揮者のEdward Gardner。ガードナーは想像以上に若いが自信たっぷりのリーダーシップを感じる。
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by dognorah | 2007-11-20 01:07 | コンサート
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