セーゲルスタム指揮フィルハーモニア管

2007年11月4日、ロイヤルフェスティヴァルホールにて。

Leif Segerstam: conductor
Julian Rachlin: violin
Philharmonia Orchestra

プログラム
シベリウス:カレリア組曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲、Op.47
チャイコフスキー:交響曲第4番、Op.36

今年1月にヴィーンで聴いたセーゲルスタム指揮する「トリスタンとイゾルデ」の演奏があまりにもすばらしかったので彼が振ると聞いただけで切符を購入しました。そして期待通りの心に響く演奏だったと思います。今日のコンサートマスター岩淵さんが登場後、彼が舞台袖から登場しますが巨体故にまるでよちよち歩き。顔全体という印象の真っ白のひげもあってシロクマを思い浮かべてしまいました(下の写真)。
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最初の曲「カレリア組曲」が始まってすぐに生きている音楽が聞こえてきました。さすがに母国の音楽、これが本当のシベリウスなんだ。思わず膝で拍子を取ってしまうぐらいのめり込めます。フィルハーモニアもこの前のシーズン幕開けよりも遙かにすばらしい音で、やはり指揮者というのは凄い。途中弦が主にメロディを奏でる曲で、指揮者は何を思ったか演奏はオケに任せて客の方を向き、まるで「どうです?いい音楽でしょう?」と言いたげに両手を広げてポーズ。あっけにとられた聴衆はくすくすと笑っていましたがユニークで愛すべき指揮者です。

次のシベリウスのヴァイオリン協奏曲は1974年リトアニア生まれのジュリアン・ラクリンの独奏ですが、通常の独奏者と違って彼は指揮者とアイコンタクトを取りやすい位置まで引っ込んで演奏します。しょっちゅう指揮者の顔を伺いながら演奏しますが、木管や金管奏者とも必要に応じてアイコンタクトし、またコンサートマスターとも間近に顔を持っていてお互い競争するように弾いたりと見ていてとても面白い。すごく繊細な音でしかも熱っぽい演奏、名演だったと思います。第2楽章などセーゲルスタムの指揮もデモーニッシュとも思える音楽作りでとても新鮮。ところでその第2楽章で気付きましたが、なんか知っているこの曲とちょっと違うという印象を受けました。ひょっとしてオリジナルの1903年版?それは聴いたことがないからよく分かりません。プログラムには何か載っているのかもしれませんが£5という法外な値段だったので買いませんでした。ロンドン交響楽団は無料なのに。
写真は、赤いハンカチを胸にしているのがJulian Rachlin、その後ろがLeif Segerstam。
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【追記】 フィルハーモニア管に問い合わせていた回答が来て、このヴァイオリン協奏曲は全くの通常版だったそうです。単に演奏がユニークなだけだったのでしょう。

チャイコフスキーは全体に柔らかい音作りでしかも音楽の流れがとてもスムーズ(これはシベリウスでも感じた)、金管が吼えても全く刺激的ではなく、こういうところがセーゲルスタムの特徴かなと思います。威圧的ではなく自然で美しさを感じさせる演奏でした。本来それほど好きな曲ではなかったのですがこういう演奏なら大歓迎です。
ところで新調成ったこのホール、舞台横の指揮者を真横から見る位置ではオケがジャーンと音を出すとホール後方からちょっと刺激的な反響(残響なんていうマイルドなものではない)が聞こえてきて、やっぱり音響的には駄目なホールだという印象を受けました。
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by dognorah | 2007-11-06 23:06 | コンサート
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