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ドニゼッティのオペラ「リタ」公演

2007年10月20日、ROHのLinbury Studio Theatre にて。

Rita
ou Le Mari battu
Opera comica in un atto

Music: Gaetano Donizetti
Libretto: Gustavo Vaéz

Conductor Andrew Griffiths
Director Thomas Guthrie
Design:r Kevin Knight
SOUTH BANK SINFONIA

Rita: Anita Watson (soprano)
Beppe: Haoyin Xue (tenor)
Gaspara: Krzysztof Szumanski (bass-baritone)

上演時間約50分の短い1幕物オペラですが3人の登場人物にはそれぞれアリアがいくつか割り当てられていてとても楽しい喜劇です。今日は監督、指揮、歌手はすべてROHの若手育成プログラムYoung Artists Programme (YAP)に属しているメンバーで、彼等がプロデュースした舞台です。舞台や動きもよくできていました。

あらすじ
カナダ行きの船が難破して乗っていた亭主ガスパラが死んだと思ったリタはベッペという男と再婚して別の土地でカフェを経営している。前は亭主関白で不幸だったリタは今は気の弱い亭主を奴隷のように扱って気ままな生活。ところが実はガスパラは生きていて、妻が火事で死んだと信じて別の女と再婚するためにリタの死亡証明書を取りに来る。一休みするためにカフェに立ち寄ったガスパラはリタとばったり会い、ベッペを含めた3人は仰天する。男二人は互いに相手にリタを譲ろうとするが決まらず、くじ引きで決着することになった。結果はガスパラが元の鞘に収まることになり、ベッペはせいせいした顔で出て行こうとする。内心は別の女と結婚したいガスパラはリタを騙してたった一通残っている結婚証明書を巻きあげ、それを破り捨ててカナダへ向かう。リタはベッペを説得してこのまま結婚生活を続けることを承知させ、ハッピーエンド。

3人の歌手はYAPに参加して2年目の人たちですが演技も含めてかなり上手い。特に感心したのがバスバリトンのスマンスキです。この人はこんなに上手かったっけというぐらい上達したのか、滑らかな発声と歌唱で本舞台でも通用する歌手になっていました。ソプラノのワトソンは以前の記憶がありませんが華やかな声がよく出ていてまずまずの出来。テノールのXue(ズエと発音するのでしょうか)は以前と比べてあまり上達していない印象です。今年入った韓国人のJi-Min Parkがすばらしいので恐らく彼に追い越されるでしょう。
終演後ROH音楽監督のパッパーノが臨席していたことを発見。歌手のスマンスキなどしてやったりというところでしょう。

写真は左からKrzysztof Szumanski、Anita Watson、Haoyin Xueです。
ドニゼッティのオペラ「リタ」公演_c0057725_7572471.jpg

by dognorah | 2007-10-22 08:01 | オペラ | Comments(2)
Commented by ロンドンの椿姫 at 2007-10-22 19:27 x
韓国人テノールのJiーMin Park、この日の午後にここでご一緒したときに初めて聴いたのですが、私も素晴らしいと思ったので、名前を覚えておくことにしました。早くメイン劇場に出てくれるといいなあ。

このリタは残念乍ら観られませんでしたが、あの小さなスペースで一応ちゃんとしたセットとオケ・ピットまであって驚きました。私もこれからはLinbury Studioもウォッチしないといけないですね。
Commented by dognorah at 2007-10-22 20:46
パークさんはこの写真では後列左端に写っている人ですが、Xueよりハンサムでもありますね。
この劇場はとてもちゃんとしたオペラ劇場で、小川を作って水を流したりとか大抵のことはできるんですよ。観客席の傾斜がきつくて見やすいのも私のお気に入りです。
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