David Greilsammerピアノリサイタル

2007年10月12日、ウイグモアホールにて。

プログラム
・Jean-Philippe Rameau(1683-1764): Gavotte et six doubles part I : variations 1-3 (1728)
・Györgi Ligeti(1923-2006): Musica Ricercata, 7th movement (1953)
・Jean-Philippe Rameau(1683-1764): Gavotte et six doubles part II: variations 4-6 (1728)

・W.A Mozart(1756-1791): Rondo in A minor, K.511 (1787)

・J.S Bach(1685-1750): Chromatic Fantasy and Fugue part I Fantasy (1730)
・John Adams(b. 1947): China Gates (1977)
・J.S Bach(1685-1750): Chromatic Fantasy and Fugue part II Fugue (1730)

・Robert Schumann(1810-1856): Davidsbündlertänze, Op. 6: Part I, Part II (1837)

c0057725_22554352.jpgダヴィッド・グレイルサマー(左の写真は彼のホームページより拝借)はイスラエルのピアニストで1977年生まれです。全く知らない演奏家なので普通だったら行かないコンサートですが、売れない切符をディスカウントするというオファーがあったので軽い気持ちで行きました。ところが聴いてびっくり、すばらしい演奏に陶然となりました。使用したピアノはスタインウエーですが音の美しさはピアノからフォルテまで特筆に値するものです。最初のラモーが始まってすぐに静かな佇まいの中に独特の雰囲気を湛える音のつむぎ方に心を打たれました。溜息が出ます。

そしてこのプログラミングの妙!ラモーの第1部と第2部の間にリゲティを、バッハの間にアダムスを間奏曲のように挿入しているのです。プログラムに書いてある演奏家の解説によると挿入したのはMinimalism音楽であり、それがバロックと織りなして音楽世界が大きく拡がるのだと。
演奏開始前に主催者から、前半のラモーからバッハまで休みなしに演奏するというアナウンスがありました。各曲をよく知らないといつ次の曲に移ったのかよく分かりませんが、彼は帯のように長い楽譜を用意して、そのパートの演奏が終わると一枚ずつ床に捨てていくので何とか切れ目は分かります。その意図は新旧の音楽が邂逅して生まれる上記の効果をモーツァルトも動員して提示したかったのでしょう。

今夜の彼の意図は後半のシューマンの選曲でも表現されており、ダヴィッド同盟曲集ではフローレスタンとオイセビウスという動と静を表す二人を念頭に書かれた曲であるからしてその両者のせめぎ合いで独特の音楽が醸し出されていくのだということらしいです。私がその意図を理解したかどうかはともかく、流れてくる音楽はここでもすばらしく、豊麗な音、芯のある力強いフォルテ、得もいわれぬ美しいピアノ、説得力ある旋律の流れなどで40分間釘付けです。終了後はStanding Ovationの大拍手でした。
アンコールはサンサーンスのソナタの第2楽章とリゲティの何か。

今日来た人は本当にラッキーでした。もしこのピアニストのコンサートが身近であるなら何は置いても聴きに行くことをお勧めします。
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by dognorah | 2007-10-13 23:04 | コンサート
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