ハープ中心の室内楽コンサート

2007年9月20日、在ロンドンルーマニア文化会館にて。

Belgrave Squareにあるこの建物は以前記事にしたことのあるイタリア文化会館のすぐ近くにある。建物の造りはほとんど同じで、2階のホールがL字型になっているのも同じである。そして同様のイヴェントを催しているのも同じ。聴衆は100人未満分しか席が無く、本当の室内楽である。
今日はルーマニアの音楽家による演奏会ということであるが、行ってみるとルーマニア人はハーピストPaula Popaだけで後は彼女の出身音楽大学であるRCMの仲間達であった。若い音楽家達の技量はすばらしく、まったりとしながらも刺激的な音楽と演奏を楽しませてもらった。

Concertino Pastorale with Paula Popa and Naiades Ensemble

Programme:

Leon Rohozinski - Suite Breve for Flute, Viola and Harp
Sergiu Natra - Commentaires Sentimentaux for Flute, Viola and Harp
David Watkins - Concertino Pastorale for Harp, Flute, Clarinet and String Quartet

Felicia Donceanu - Parlando Rubato-The Legend of a flight for harp solo
Claude Debussy - Sonate for Flute, Viola and Harp
Maurice Ravel - Introduction and Allegro for Harp, Flute, Clarinet and String Quartet

楽器の構成がハープ中心という変わったものなのですべて初めて聴く曲達であったけれど、あまり聞いたことのない作曲家達の作品はそれぞれ面白かった。
ハープという楽器は大編成のオーケストラの中にいるとなかなかその音だけを聞き出すのは難しいけれど、こうして近くで聞いてみると結構音量があるのにびっくりする。最初の2曲とドビュッシーのものはフルート、ヴィオラ、ハープのアンサンブルであるが、この3つの楽器の音の融け合い方が美しく、バランスの取れた響きであることを認識できた。いろいろな作曲家が作品を残しているということはそれを念頭に置いてのことなのだろう。
3曲目のワトキンスは現役の英国作曲家で今日は来ていて開始前に自作の解説をした。曲は親しみやすいメロディが美しく奏でられるかと思うと雑音のように他の楽器が邪魔したり、フルートやクラリネットの柔らかい音色が心地よく響いたりと結構才気煥発な印象を受ける。
今日の主役ポーラ・ポーパの独奏で後半が始まったが、聴きごたえのある曲であり演奏だった。考えてみれば多分これが初めて聴くソロハープだろう。
ドビュッシーの作品は楽器のアンサンブルとしてはこれまでに演奏された曲より一枚上で非常に洗練されている。
最後のラヴェルはさすがというかちょっと作曲家として格が違うという印象を受けた。まず深い精神性を感じる。各楽器はかなり饒舌で自由奔放な印象も受けるけど音楽に気品がある。10分そこそこの短い曲ながらこの日演奏された中では一番の高みにある感じがした。

インターヴァルではワインが振る舞われ初対面の聴衆同士で話が弾み予定より大幅に後半の開始が遅れたくらい。ベラルーシ、ガーナ、中国、英国人達と前半に聴いた曲の感想など話し合ったがみんな観点が違うから面白い。中国人が、こんな立派な建物を維持しているルーマニアってそんなにお金があるのかねぇと納得いかない顔つき。確かに共産政権崩壊後、貧しいと伝えられていたけれどその後頑張ったのかしら。いずれにしてもこれだけのイヴェントを開催してくれるのは我々にとってはすばらしいこと、心から今後の発展を祈りたい。
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by dognorah | 2007-09-21 23:14 | コンサート
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