ベルリオーズ「ファウストの劫罰」(PROMS)

2007年9月6日、ロイヤルアルバートホールにて。

Hector Berlioz:La Damnation de Faust

Faust: Marcello Giordani (tenor)
Méphistophélès: José Van Dam (bass-baritone)
Marguerite: Yvonne Naef (mezzo-soprano)
Brander: Patrick Carfizzi (bass)
Finchley Children's Music Group
Tanglewood Festival Chorus
Boston Symphony Orchestra
James Levine

冒頭にBBC PromsのDirectorが登場してルチアーノ・パヴァロッティの逝去を悼んでこのコンサートを彼の思い出に捧げる旨アナウンスがありました。ゲーテの原作と違ってファウストは地獄落ちするので何となく死者に捧げるにはどうかと思われる曲ですが。

さて、レヴァインは90年代初めにロンドンで客演指揮を聴いたことがある(あまり印象的な演奏ではなかった)だけで久し振りにその姿を見ましたが、予想ほど太ってはいませんでした。顔はすごく大きくなっているとは思いましたが。ちゃんと歩いて舞台に登場したのに指揮は椅子に座ってやっていました(下の写真参照、この椅子も指揮台もアメリカから運んだらしい)。まだ64歳なのにどこか悪いのでしょうか。
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ボストン交響楽団は昔アメリカでは3大交響楽団の一つとして有名でしたが現在の実力の評価はどうなんでしょう。今回聴いた限りではとても上手いしっかりした楽団ではありますが、欧州の名だたる楽団に比べると個性が無く、音もそれほど魅力的とは思いませんでした。

ベルリオーズの劇的物語「ファウストの劫罰」は全4部構成で、第1部ではハンガリー民謡のラコッツィ行進曲を取り込んでその普及に一役買った曲ですが、前半はやや退屈な音楽という印象です。ファウスト役のマルチェロ・ジョルダーニは顔も声もちょっと暗めですが全編を通して立派な歌唱でした。メフィストフェレスを歌ったジョゼ・ヴァン・ダムはたまたま手持ちのDVDで知ったのですが1989年にもここで同じ役を歌っています。ショルティ指揮シカゴ交響楽団との共演で驚いたことに今回の声はそのときの演奏とあまり違わないです。いずれにしても私の好みの声じゃないですが。
後半に入ってマルガリーテ役のイヴォンヌ・ネフが登場すると俄然音楽は魅力的になります。彼女の歌唱もすばらしい。2年前にマーラーの3番でプロムスに登場していますがそのときと同様印象的な声です。
ベルリーズの音楽も第4部あたりになるといかにも彼らしい派手なオーケストレーションで聴きごたえのある音楽になります。
合唱隊もボストンからやってきたのですが(子供合唱団はロンドンで調達)アンサンブルがとても洗練された歌唱で、大いにこの曲を支えていました。全員暗譜で歌っていたのが印象的です。独唱者も指揮者も譜面を見ながらでしたのに。

写真は左からMarcello Giordani、Yvonne Naef、Patrick Carfizziです。
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by dognorah | 2007-09-07 23:28 | コンサート
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