ロンドン交響楽団の今シーズン最終コンサート

2007年7月3日、バービカンホールにて。

指揮:Yan Pascal Tortelier
ピアノ:Barry Douglas

プログラム
Helen Grime:Virga (世界初演)
Pyotr Ilyich Tchaikovsky:Piano Concerto No.1 in B flat minor, op23
Henri Dutilleux:Métaboles
Maurice Ravel:Daphnis et Chloé Suite No.2

c0057725_0425464.jpg最初の曲はLSOが若い作曲家を選んで委嘱したもの。年間を通じて何回かこういうことがありますが、公式プログラムには載せず、当日発表します。本日の作曲家は1981年生れのHelen Grimeというイギリス生れの女性です。RCMでJulian AndersonとEdwin Roxboroughに作曲をを学んだそうです。舞台に出てきてインタヴューを受けてから(左の写真)演奏されました。ピッコロやフルートの高音メロディで開始、金管も鋭い音を合わせます。かなり大編成の管弦楽でいろいろなメロディが奏でられますが、心の中までは届かずどうもいまいち理解できません。不協和音はあまりない構成です。

c0057725_0433187.jpgチャイコフスキーのピアノ協奏曲を独奏したイギリス人ピアニスト、バリー・ダグラスは1986年のチャイコフスキーピアノコンクールで優勝した人です。当然腕の達者な人と思いますが第一楽章は何となく感動とは縁のない演奏という感じを受けました。第二楽章ではかなり音楽になり、第三楽章では更に調子が出てきたようでかなり楽しめました。管弦楽の方は終始一貫してレヴェルの高い演奏でしたが、第一楽章は両者の解釈が食違ったのでしょうか。右の写真は演奏後のBarry Douglasです。

3番目の曲は1916年生れの現役作曲家アンリ・デュティユーが1965年に作曲したものです。これはなかなかおもしろい曲です。現代曲ながらフランスの香りがします。打楽器が効果的に使われて賑やかな部分と静かな部分の対比が魅力的です。豊穣な音の洪水で最後を飾ります。

最後のラヴェルはすばらしい。さすがにフランス人指揮者、躍動感溢れる洗練された演奏で全く文句なしの名演でした。最初の曲から感じていたことですがこの指揮者はオケを鳴らすのも上手く、LSOからいいアンサンブルを引出していました。そしてディナミークを緩急自在につけるなどそれを操る技術がなかなかのものです。本日は後半のプログラムで満足すべきコンサートになりました。
写真は終演後楽員の拍手も受けるYan Pascal Tortelierです。
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今日の演奏会のスポンサー東芝さんのご厚意でプレコンサート、アフターコンサートともご馳走になった上、また多くの方と知合え、懐かしい方とも再会して充実した夜となりました。特に昔勤めていた会社のイギリス人同僚の消息がひょんなきっかけでわかったのにはびっくりしました。ほんとに世間は狭いです。
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by dognorah | 2007-07-05 00:45 | コンサート
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