チェロソナタの夕べ

2007年7月2日、ロンドンのハンガリー文化センターにて。

チェロ:Eszter Baráti
ピアノ:Balázs Vitályos

プログラム
Leos Janacek: Pohadka (A Tale)
Zoltán Kodály: Sonata op.4
Béla Bartók: Rhapsody No.1
Edvard Grieg: Sonata in A minor, op36

c0057725_0301868.jpgコヴェントガーデンにあるハンガリー文化センターは時々コンサートをやってくれます。部屋の大きさがあまりないので聴衆は60人程度しか入れず、事前予約が必要です。今日のチェロ独奏者はリスト音楽院で学び、ハンガリー国立オペラ管弦楽団のプリンシパルを勤めるエスター・バラティという女流(左の写真)ですが、背も高くないし腕も細い人なのにチェロの演奏は豪胆とも言うべき力の籠ったスケールの大きさで圧倒されました。楽器は一見古そうに見えますが、かなりの名品と思われる倍音に富んだ魅力的な音色を出します。2階の部屋は空調がないので窓を開けたままで、外からは人の話し声や笑い声、車のドアの開け閉めに雨道を走る音など雑音が遠慮無く入ってきますが彼女は動じることなく集中力を維持して美しい音色を紡いでいきます。不思議なもので演奏者がそういう態度だと聴いている方も雑音が気にならなくなります。

ヤナーチェクの作品は3楽章構成で、第1楽章は私にはやや取っつきにくい感じでしたが第2楽章以降はいかにもチェロでしか出せない特有の魅力溢れる音で魅了されました。演奏時間は約15分。
コダーイは最初から魂を揺さぶるような深遠な音がこれまた美しいピアノ伴奏に乗ってゆっくりと奏でられます。なんとすばらしい音楽でしょう。アレグロはハンガリーの民族的メロディを思わせる軽快さがありますがピアノと対話するような構成もおもしろい。最後はまた朗々とチェロの美しい音色が響き渡り、思索に誘うような雰囲気のまま静かに終ります。名曲と思います。彼女はこの作品を完全に解釈し尽している印象を受けました。ブラヴォーです。演奏時間は約20分。
バルトークは民族的メロディを敷衍したような作品で、思わず拍子を取りたくなるようなとても親しみやすい曲です。演奏時間は約10分。
休憩後のグリークはこれまでの曲と違ってやはり古典的な音、ほっとした聴衆もいたかも知れません。美しいメロディと音色でとても楽しめる曲ですが、それほど優れた作品とも思えず、私は断然前半の作曲家たちの作品が好きです。演奏時間は約30分。

これだけの音楽を聴けてインターヴァルにはワインまで飲ませていただいて無料というのは感謝です。外国公館の主催するものではこういうのが多くていいですね。今までイタリア、ベネズエラ、日本と経験していますが他の国でも自国の芸術家の紹介のために当然やっているでしょう。これから少しずつ開拓して行かなくては。
インターヴァルにはペルーの方々から話しかけられペルーと日本といえば当然藤森氏の話になってしまいました。彼はペルー入りする前に隣国のチリかどこかで逮捕されたところまでは知っていますがその後どうなったのでしょう。
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by dognorah | 2007-07-04 00:32 | コンサート
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