ネトレプコは病気休演 - ドン・ジョヴァンニ

豪華出演者で期待膨らむロイヤルオペラのドン・ジョヴァンニは最大の楽しみだったアンナ・ネトレプコがリハーサルと初日が休演と発表があった。数週間引きずっている病気のためと説明されているので残りの公演も休演の可能性が高そうである。本日のリハーサルも含めて3回も行く予定だっただけにショックは大きい。

代役はROHの専属でYoung Artists Programmeに所属するMarina Poplavskayaであるが、歌唱は上手だけど華がない。声は今まで聴いた経験ではきれいな人であるが本日はやや霞がかかったような声になる部分が結構あり(特に第1幕)、ここがネトレプコだったらなぁと思う場面もしばしば。しかし全体としてはまあ満足できる出来である。
ドンナ・エルヴィーラを歌ったAna María Martínezが絶好調で、すばらしく魅力的な声を終始響かせてくれたのでネトレプコの不在を補ってくれた。この人は昨年1月にヴィオレッタを、5月にボッカネグラを聴き、いずれも私的には大変好評であったが今日の歌唱は今までの最高。もう何も言うことなし。これでネトレプコがいればどれだけすごいことになったことか(まだ言っている)。

男声陣はすべて満足すべき歌唱でErwin SchrottもKyle Ketelsenも文句なしにうまい。特にシュロットの声が期待に違わず魅力的だった。Michael Schadeはロンドンやヴィーンで聴くたびに印象がよくなっているが彼も今日は今までの最高の出来と思う。低音から高音まで非常に滑らかで魅力的なテノールであった。これからは彼の出演を喜ばなくてはいけないだろう。
Sarah FoxとMatthew Roseは1幕はちょっと調子が出ないかなと思ったが第2幕ではかなりの出来。Commendatore役のReinhard Hagenは初めて聴く歌手であるが歌は上手いもののもう少し低く響く声がほしいと思った。
ということでネトレプコ不在ながらも歌手陣は総じてレヴェルの高い公演であった。そして今日はマイク疑惑なし(^^)

指揮者のIvor Boltonは初めて見る人で、あまり見栄えのいい人ではないが音楽はすばらしい。響きが自然で弦も美しく、アリアや重唱では生き生きした演奏でたっぷりモーツァルトに浸れる。

このプロダクションは5-6年前に一度見たことがあるので演出としては新しいものではない。舞台は結構シンプルで全幕を通して分厚い円弧状の壁が回転するだけのものながらその中に階段や屋上を作ったりして各場面を効率的に表現している。地獄落ちは炎が吹出して雰囲気を盛上げるがそこで一瞬照明が落ちて薄いカーテンが降りるので知らない人は終りだと思って拍手してしまう。残った人たちが今後の身の振り方を述べた後、一番最後に向こうの世界で全裸の女性を抱きかかえているドン・ジョヴァンニがちらっと登場して爆笑で終る。

DON GIOV ANNI:Opera buffa in two acts
Music: Wolfgang Amadeus Mozart
Libretto: Lorenzo da Ponte
Conductor: Ivor Bolton
Director: Francesca Zambello
Revival Director: Duncan Macfarland
Designs: Maria Björnson
Lighting: Paul Pyant
Choreography: Stephen Mear, restaged by Duncan Macfarland
The Royal Opera Chorus
The Orchestra of the Royal Opera House

Leporello: Kyle Ketelsen
Donna Anna: Marina Poplavskaya
Don Giovanni: Erwin Schrott
Commendatore: Reinhard Hagen
Don Ottavio: Michael Schade
Donna Elvira: Ana María Martínez
Zerlina: Sarah Fox
Masetto: Matthew Rose
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by dognorah | 2007-06-10 04:32 | オペラ
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