2007年3月24日、シャンゼリゼー劇場にて。
Jennifer Larmore: mezzo-soprano Jean-Christophe Spinosi: conductor Ensemble Matheus: orchestra プログラム(オールヘンデルプロ) ・「水上の音楽」第1組曲の序曲からアンダンテまで4部 ・HerculesからアリアWhere shall I fly ・Giulio CesareからアリアEmpio, diro, tu sei ・「水上の音楽」第1組曲のプレストからメヌエットまで5部 ・RinaldoからアリアCara sposa ・RinaldoからアリアVenti, turbine ・Giulio CesareからアリアDall’ondoso periglio… ・SemeleからアリアHence, Iris, hence away ・「水上の音楽」第2組曲のアレグロとAlla Hornpipe ・SerseからアリアOmbra mai fu ・AriodanteからアリアDopo notte アメリカの歌手、ラーモアは3年前にROHで「ホフマン物語」のジュリエッタ役で聴いたことがあるだけであまり馴染みがあるとはいえない歌手です。40代後半ぐらいの年齢でしょうか。ここパリでどの程度の人気なのかよくわかりませんが、結構空席がありました。意外に入場料が高いのにはびっくり(最高72ユーロ、約£50)しましたがその割には高い席はかなり埋まっているのに感心。この劇場の安い席は舞台が半分ぐらいしか見えないせいかもしれません。 こういうプログラムであるからしてヘンデルは得意と思われますが、声はコジェナーのような華はないもののそこそこ美しいし、歌はとてもうまい。Cara sposaは心に染みる嘆き節でしたし他の曲も表現力ある歌い方です。 オケもなかなかの水準で、水上の音楽は結構楽しめました。クラヴサン奏者はYoko Nakamuraという日本人ですね。指揮者と歌手も気の合う演奏ぶりでこなれた音楽作りです。聴衆はかなり熱心な人が多いのでしょう盛大な声と拍手で、一体となって音楽を楽しんでいるようでした。アンコールは2曲演奏されました。1曲目は知らない曲ですが2曲目は本日のプログラムからEmpio, diro, tu seiの再演奏でした。 ということでホテルで思い立って雨の中を聴きに行った甲斐はありました。コンサート情報を提供くださったsottovoceさんに感謝します。 写真は拍手に答えるラーモアと指揮者スピノジです。
by dognorah
| 2007-03-28 21:37
| コンサート
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Comments(5)
パリ・レポート第一弾ですね。待ってました。
ラムーアは、ROHのホフマンのときはどうってことなかったですが、数年前のウィグモア・ホールのリサイタルは素晴らしかったのを覚えています。最近あまり名前を聞かないと思ったら健在なのですね。写真で見ると、前よりすらっとしてます。 次は歌舞伎でしょうか? それともその前に他にも何かご覧になったのでしたっけ?
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dognorah at 2007-03-29 05:56
ロンドンの椿姫さん、別の記事にコメントされていましたのでこちらに移しておきました。やはりウイグモアでリサイタルをやっていたのですね。ホフマン物語でもこんなにすらっとしていませんでしたから、痩せたのでしょう。
そうです、次は歌舞伎です。
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助六
at 2007-03-29 08:28
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あっ、いらしてたんですね!私も思い立って行きました。賛否両論だけど私はスピノジ結構好きなもので、あの瞬発力溢れる指揮に乗せたベルカントの打上げ花火聴きたくなって。スピノジは、やはりラーモア(cinquante-huit年生れ、図星でしたね《笑》)迎えた4年前のヴィヴァルディの「オルランド・フリオーゾ」の指揮はとても良かったけれど、当夜はパンチ力(批評で時々揶揄されてるせいか、抑えたのかな。同タイプだったら、ミンコウスキの初期より軽さとニュアンスもあり私は好きなのですが)も、オケの精錬共々今ひとつの感を受けました。
ラーモアは91年以来、ロッシーニ、ヘンデル(ヤコープスの「ジューリオ・チェーザレ」)、ベッリーニ、ヴィヴァルディ、ベルリオーズのオペラで色々聴きましたけど、考えてみると3年ぶりで、皆さん仰ってましたけど、まずダイエット振りに驚かされました。すでに10数年前から役によってはちょっと胸声の多用が目立つようになったけれど、その後の声の衰えはないと感じました。96年の「チェネレントラ」なんかまあ悪くなかったですけどね。
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助六
at 2007-03-29 08:29
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パリでも大人気とは言えず、今回は招待券ばらまいたらしい。でも平土間席は自分で払ってる人が多いと思います。「シック」とされるこの劇場には固定客がいます。この劇場は私立で補助金を一切受けてませんから、歌のリサイタルとしては、ラーモアはこれでも一番安い部類です。同じものがシャトレ等の公共劇場であればガタッと安くなります。ただこのシャンゼリゼ劇場も日本の財投に当たるような活動をしている公的金融機関「預金供託金庫」の所有で、そこがメセナになってますから、公がらみの資金も間接的には少し入っている形なのですが。
アンコール1曲目はヴィヴァルディ「オルランド・フリオーゾ」最後のアルチーナのアリアでした。
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dognorah at 2007-03-29 19:18
ひょっとして助六さんもいらしているかな、と思ったのですがやはりいらっしゃいましたか。私は今回歌舞伎とドン・キホーテを見に来たのですが妻のアレンジだったので前日から泊まり込みだったのです。
しかしずいぶん彼女のオペラを聴いていらっしゃるんですね。いつものことながら感心しました。この劇場は初めての経験ですが、確かにシックな内装ですね。ロンドンでいえばENOの本拠地Coliseumを小型にしたような印象を受けました。 >ラーモアはこれでも一番安い部類・・・ 欧州の入場料は安いとの先入観があったのですがこういう場合もあるんですね。昨日開催されたネトレプコとビヤソンのリサイタルの値段を調べて再度びっくり。150ユーロとは!ロンドンの倍以上ですね。 アンコールの曲名情報ありがとうございます。両者とも4年前のいい思い出を再現したかったようですね(笑い)。
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