マイケル・ティルソン・トーマス指揮LSO演奏会

2007年3月9日、バービカンホールにて。

出演
トロンボーン:Ian Bousfield
ソプラノ:Sally Matthews
指揮:Michael Tilson Thomas
管弦楽:London Symphony Orchestra

プログラム
Steve Reich: Variations for Winds, Strings and Keyboards
Jonathan Dove: Stargazer (Trombone Concerto)(世界初演)
Gustav Mahler: Symphony No.4

指揮のトーマスは90年代前半に聴いたことがあり今回は久しぶり。当時はそれほど印象的な指揮者ではなかったが今日はよくオケを鳴らして好演でした。

最初の曲はあるメロディを木管と弦とキーボードが延々と繰り返すもので時折金管がちゃちゃを入れる退屈極まりない作品。これをminimalismというそうですが苦痛の20数分間でした。バービカンでは彼の特集を組んでいますがライヒなんて2度と聞きたくない。

これに対してダヴのトロンボーン協奏曲はなかなかすばらしい音楽です。現ヴィーンフィルの主席トロンボーン奏者であるブースフィールド氏は2000年までLSOの主席でした。彼が昨年ロンドンで行ったコンサートを聴いてそのテクニックは十分知っていますがオケをバックにどういう演奏をするのか興味深いものがありました。1997年に作曲家のダヴ氏を訪ねてトロンボーン協奏曲を書いてほしいと依頼したそうで、そのときの彼の希望は、トロンボーンといえば現代作曲家は「大きな悪い狼」とか「道化役者」というような固定概念を持っているので、ここはひとつ叙情的な音のするものを作曲してほしい、ということだったそうです。星を観察している人(トロンボーン)が各星座(オケの各パート)に問いかけると星座が反応していくさまを描いたそうです。トロンボーンは実にさまざまな音を出しますが相当なテクニックを要する作品のようでかなりの熱演でした。やわらかく繊細な音も多く、希望はかなりかなえられているといえそうです。何よりも聴いていて楽しく、フランス音楽のように色彩感豊かなオーケストレーションも聴き応えがあります。初演がこのように遅れた理由はブースフィールド氏の移籍が絡んでのことだったようです。写真はBousfieldと作曲家Dove、後ろで拍手する指揮者のThomasです。
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マーラーの演奏を聴いてトーマスはなかなかの指揮者だと認識しました。第1楽章は溌剌としてオケは豊かな音を出しながら各部のバランスもよくテンポは中庸でまったく自然、密度の高い演奏です。第2楽章は非常に美しく叙情的な表現でした。ちょっとだれた印象が無きにしも非ずでしたが。第3楽章は静と動の対照を際立たせてスケールの大きい表現です。クライマックスからしっとりと導入される第4楽章もサリー・マシューズのきめ細かなニュアンスが美しい歌唱と相俟って共感できました。久しぶりに充実した4番を聴きました。写真は指揮者とともに挨拶するMatthews。
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by dognorah | 2007-03-11 00:15 | コンサート
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