ベルリンフィル演奏会

2007年3月7日、バービカンホールにて。

指揮:サイモン・ラトル(Sir Simon Rattle)

プログラム
ドヴォルザーク:交響曲第7番ニ短調
アデス (Thomas Adès):Tevot (UK初演)
ヤナーチェク:シンフォニエッタ

昨年9月にPROMSで聴いて以来のベルリンフィル、今日もすばらしい音で圧倒してくれました。特に管楽器の名手たちの音の質の高さにはただただ感銘するのみ。
最初にメインを演奏するのが最近の流行みたいですね。早く帰宅したい人のためにメインだけ食べてもらうということでしょうか。それが感動的名演だったのでドヴォルザーク1曲だけで帰ってもよかったくらい。
第1楽章冒頭の弦によるメロディが流れただけで質の高い音とエネルギーを内に秘めた演奏スタイルにこれから展開するであろう名演の期待感が高まります。その期待は全く裏切られることはありませんでした。第1楽章では短いフレーズではっとするような美しい音を出していたフルートやオーボエは第2楽章では名人芸をたっぷり楽しませてくれましたし。

2曲目は現代イギリスで最も嘱望されている作曲家トーマス・アデス(1971年生れ)がベルリンフィルに委嘱されて作曲した最新作で、先月ベルリンで世界初演済みですが今回はUKでお披露目。プログラムノートによれば、タイトルはヘブライ語の音楽用語で「小節」を意味するそうですが、他に「言葉」と言う意味もあるようです。その単数形はtevahで聖書には2回登場するという。1回目はノアの箱舟を意味し、2回目はモーゼの母が彼をナイル川に浮かべるために葦で作った筏でどちらも水の上で安全を守るもの、流れの中で強固なもの。音楽は流動的ながらそこに何か強固なものが存在するということらしいです。大編成の管弦楽で演奏時間20数分のもの。打楽器が活躍する音の饗宴といった趣ですが聴いていて何か残酷な絵画を思い起こさせる雰囲気がありました。中間部で一転して内省的な静かな響きとなります。終曲近くで音楽は再び輝きを取り戻し、何かを祝福するかのように歓喜を表現して静かに終わります。名曲なのかどうかいまいちよくわかりませんでしたが。写真は、ステージに呼び出されて挨拶するアデスと楽団です。
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最後のヤナーチェクも実演では初めて聴く作品です。多数の金管楽器奏者を必要とするのでLSOとフィルハーモニアの奏者がエクストラで参加しているそうです(会場で会ったO氏の情報)。数えるのを忘れましたが総勢10人程度。そのエクストラ軍は冒頭のファンファーレでなかなか元気のいい音を奏でていました。音楽としては作曲の経緯からして体育会系という印象で始まるものの中間楽章ではそういう印象を離れて豊かな楽想が見て取れます。大活躍するフルートも聞き逃せません。第4楽章で再び金管が活躍し、行進曲風になりますが第5楽章はちょっと郷愁を呼び起こすようなメロディが美しく展開していき、ここでもこの楽団のトップ奏者たちのすばらしいテクニックが冴え渡ります。音を聴いているだけで楽しい。最後の終わり方は壮大で華麗。暗譜で指揮したラトルはよく演奏するのでしょう、まとまりのよい演奏でした。文句なし。

インターヴァルにロビーで会った皆さんも今日の演奏には感嘆されていました。先日のLSOとの落差は大きいです。
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by dognorah | 2007-03-10 00:01 | コンサート
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