ピアノリサイタル

11月20日、St James教会(Piccadilly)にて。

ピアノ:Simon Callaghan

プログラム
モーツァルト:ソナタハ長調、K330
ムソルグスキー:展覧会の絵

c0057725_1051898.jpg今日はROHでバス歌手のRobert Gleadowのリサイタルもあり迷った末にピアノの方を選びました。久しぶりにムソルグスキーを聴いてみたくなったので。
サイモン・キャラハンは1983年生れのイギリス人で、最終学歴はロンドンのRCMです。国内外で既に多くのコンサートを経験しているもののコンクール入賞暦は特筆するものはありません。でもいい音楽を奏でる人です。

モーツァルトのソナタでは、最初の一音から作曲家に共鳴している様がわかり、豊かなモーツァルトの世界に導いてくれます。朴訥ともいえる音はとても暖かく、聴いていてとても居心地がよいのです。

モーツァルトの終了後は舞台裏に行かずにそのままピアノの前で暫し瞑想しただけで展覧会の絵を弾き始めましたが、音の暖かさはそのままで、前半はとてもロマンティックなムソルグスキーという印象を受けました。しかしスタイルは少しずつ変容していって強音と弱音の対比をしっかりつけると共に内省的あるいは瞑想的な雰囲気が漂う部分もあり表現に深みが与えられる感じです。終曲部分でのきらびやかな表現からかなりのテクニックの持ち主と思われますが、あまりそれを感じさせないで印象的な音楽を聴かせてくれる人と思いました。ブラヴォーです。

余談ですが、私の隣に座ったおじさんが演奏中に紙にペンを走らせる音をさせるので、メモを取りながら熱心に聴いているのかなと思ってチラッと見ると、なんと演奏者をスケッチしているのでした。モーツァルトの第1楽章で一枚仕上げ、第2楽章でさらにもう一枚描きました。終演後「あなたは画家ですか?」と尋ねたら「いや趣味で描いているだけだよ」と作品を見せてくれましたが、確かに玄人の絵ではありませんでした。しかし短時間に演奏姿を描ける絵心を持っていることに羨望の念を禁じえません。室内楽程度なら写真よりもこういうスケッチの方が雰囲気をよく伝えるような場合がありそうです。
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by dognorah | 2006-11-21 10:13 | コンサート
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