チャイコフスキーのオペラ「スペードの女王」

11月15日、ROHにて。
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Music: Pyotr U'yich Tchaikovsky
Libretto: Modest Il'yich Tchaikovsky and the composer after Alexander Sergeyevich Pushkin's novella Pikovaya dama

Conductor: Semyon Bychkov
Director: Francesca Zambello
Set Designs: Peter J. Davison
Costume Designs: Nicky Gillibrand
Lighting: Mark McCullough
Choreography: Vivienne Newport

Gherman: Vladimir Galouzine
Chekalinsky: Robin Leggate
Surin: Jeremy White
Count Tomsky: Vassily Gerello
Prince Yeletsky: Gerald Finley
Countess: Larissa Diadkova
Liza: Mlada Khudoley
Paulina: Enkelejda Shkosa
Masha: Elizabeth Sikora
Governess: Carole Wilson
Major-domo: Alasdair Elliott
Prilepa: Kishani Jayasinghe
Milovzor: Enkelejda Shkosa
Zlatogor: Vassily Gerello
Chaplitsky: Andrew Sritheran
Narumov: Krzysztof Szumanski

4-5年前に一度見たきりで久しぶりに同じプロダクションを鑑賞しました。舞台と衣装はかなり華やかで美しいのですが、後半に不可解な雪の小山がそれも室内と思しきスペースに登場するのがぶち壊しのような気がします。この雪は前回も不愉快な印象を与えてくれたのをはっきり覚えています。それ以外の点はかなり原作に忠実にフォローした演出で、違和感はありません。

歌手
主役であるゲルマンを歌ったロシア人テノール、ガルージンは素直で厚みのある声ですが非常に歌の上手い人で楽しめました。3年前ROHでのボリス・ゴドゥノフでは脇役でしたが主役を歌うぐらいに成長したのですね聴いて以来ですが、既にこのゲルマン役は何度も歌っていた人のようです。賭けに明け暮れて陰鬱な状態に陥っている様もよく表現されていました。相手役のリザを歌うロシア人ソプラノ、フドレイも歌のうまい人ですが、声にかなりヴィブラートがかかることが目立ち、あまり好みではありません。プリンス・イエレツキーを歌ったフィンリーは相変わらず上手く、声はテノールに迫るかという艶がありました。他の歌手も概してしっかりとした歌唱です。ただ、主役級のほとんどの歌手にちょっと声量がありすぎる印象で、マイクを使ったのではないかという疑念が払拭できません。本当のところはわかりませんが。
先日聴いたJet Parker Young Artistsの新人、スリランカ人のKishani Jayasingheが劇中劇のPrilepa役で早速出演していましたが、結構長く歌う役で、それを実力通りに印象的に歌い、なかなか期待できるソプラノであることをアピールしました。

指揮と管弦楽
セミヨン・ビシュコフも3年前のボリスを指揮した人で、要するに今日は主要な役はロシア人で固めた感じです。1952年生まれですから脂が乗り切った指揮者といえます。序曲の演奏が始まった段階で、今日のチャイコフスキーはすばらしいぞ!という期待感を抱かせる演奏でした。チャイコフスキーらしい美しい旋律と劇的な表現を適度にミックスさせた納得のいくものです。指揮が上手いのでしょう、歌手や合唱も管弦楽とよく調和して言うことなしです。

ということで上に挙げた疑念は置いといて、音楽的にはとても充実したものでした。
写真は、左からVassily Gerello, Vladimir Galouzine, Semmyon Bychkov, Mlada Khudoley, Gerald Finley, Kishani Jayasingheです。
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by dognorah | 2006-11-17 08:58 | オペラ
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