ブリュートナーピアノ主催コンサート

11月14日、ロンドンのBlüthner Piano CentreでB社がスポンサーとなっているピアニスト、根岸由起さんのコンサートが開催されました。ブリュートナーといえばドビュッシーが愛好したことで知られているライプチッヒ発祥の名ピアノですが、愛好している現代の演奏家も多く、私が聴いただけでMikhail PletnevArtur Pizarroがいます。

本日のピアニスト、根岸由紀さんは今年の5月にハイドパーク・チャペルでリサイタルを行い、そのときにお話したことが契機になってメールを交換していました。その経緯で今回のコンサートに招待していただきました。

プログラム
シューベルト:ソナタイ短調 D.845
Mai Fukasawa:Le Degre Zero de la Nuit Fantastique (2003)
ショパン:マズルカ Op.33
ショパン:ワルツ 変イ長調 Op.34-1
リスト:バラード No.2 ロ短調 Sz.171

この直前の記事に書きましたように私はフリットリのキャンセル騒ぎでクイーン・エリザベス・ホールから駆けつけましたので、前半のシューベルトは最後の方を聴いただけです。1階のピアノ売り場で待っている間に上から聞こえてくる音になぜか音楽を聴くことの出来る幸せをすごく感じてしまいました。

インターヴァル後の最初の曲は日本人作曲家、深澤舞さんの作品で、これがイギリス初演とのことです。深沢さんは恐らく根岸さんと桐朋学園の同期なのでしょう、2001年に卒業後ロンドンのGSMDでさらに作曲の腕を磨いた方で、現在母校の非常勤講師をしていらっしゃいます。今夜は会場にお見えでした。余談ですが、事前に日本人作曲家も参加するということがアナウンスされたらしく、インターヴァルの間にあるイギリス人婦人が私の家内に「あんたが作曲家でしょう?」と話しかけられてしまいました。作曲家というと年配の人という固定観念があったようです(笑)
その作品ですが、ポツリポツリと音が出て静かに始まり、そのうちにがんがんと音が鳴り出しますが、ひじを使ったり指を動かすだけで無音だったりと静と動が交錯して短いながらもなかなか面白い曲です。

続くショパンは手馴れたもので、いい演奏でした。小品という扱いではなくしっかりと性格が与えられるという感じで、特にワルツはダイナミックで美しい演奏です。

最後のリストは、私は多分初めて聴く曲ですが、この作曲家の奥の深さを感じさせてくれる作品であり演奏でした。リストに芯から共感させてくれる切り口を提示してくれた感じがします。ハイドパークチャペルのリサイタルでもリストには感銘しましたが、かなり好きな作曲家なのでしょうか。

演奏会はアンコールの雨だれ前奏曲で締めくくられました。
会場はちょっと外の道路の騒音遮断状況が悪く、あまりいい環境ではありませんでしたが、さすがにブリュートナーのピアノはすばらしい音でした。インターヴァルにワインまでご馳走になり、参加者との会話も楽しめて充実した夜でした。感謝です。
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by dognorah | 2006-11-16 22:06 | コンサート
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