オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」

11月3日、パリオペラ座(ガルニエ)にて。
Wolfgang Amadeus Mozart: Così fan tutte
Opera buffa in two acts (1790)
Libretto: Lorenzo da Ponte
初演:ヴィーン(1790)

キャスト
Direction musicale:Gustav Kuhn
Mise en scène:Patrice Chéreau
Décors:Richard Peduzzi
Costumes:Caroline de Vivaise
Lumières:Bertrand Couderc
Collaborateur aux mouvements:ThienyThieQ Niang
Perruques, coiffures:Campbell Young
Chef des Chœurs:Peter Burian
Orchestre et Chœurs de l'Opéra national de Paris

出演
Fiordiligi:Erin Wall
Dorabella:Hannah Esther Minutillo
Guglielmo:Stéphane Degout
Ferrando:Shawn Mathey
Despina:Marie McLaughlin
Don Alfonso:Ruggero Raimondi

今回は切符の手配が遅れて、取ろうと思ったときはインターネット上では売り切れ。ある方に窓口販売で入手していただきました。そういう事情で席は天井桟敷です。オーケストラが真下に見えて、音はいいのですが、舞台をまともに見ようとすると無理な姿勢になりかなり疲れます。このように無理をして切符をとったのも実はドラベラ役にガランチャが出演する予定だったからです。しかし理由はわからないのですが残念ながら彼女は降りてしまいました。他にお目当ての歌手はいないので、初経験のシェローの演出と、有名なバス歌手のルッジェロ・ライモンディを見に行くことに目的は変わりました。共にロンドンにはほとんど登場しない人たちだし。

演出
舞台は最初から最後まで固定で、奥中央から左上に向かって階段があり、左右には建物の壁と出入り口が数箇所、左右壁面の2階部分と3階部分にそれぞれバルコニーがしつらえてあります。右奥には棒やパイプなどが乱雑に立てかけたコーナーがあり、全体に質素なグレーの造りです。そして通常と変わっている点は、客席も舞台として使うことでしょう。特に第1幕は客席通路にいる時間が長く、そのため舞台両側に階段を設置し、ストール席の最前列は全て空席にしてあります(もったいない!)。しかし舞台をこのように使う必然性はあまり感じられません。ちょっと変わったことをしたいということでしょうか。
登場人物はみんな18世紀ぐらいと思われる服装で、恋人同士の4人はそれぞれ異なる色のなのでそれを憶えてしまえば早い動きでも誰と誰がどうしたということも把握しやすいと言えます。
舞台上のテーブルや椅子などの小道具を出したりしまったりする黒子さん的な人たちが大勢出るのですが、彼らもちゃんと18世紀の服装をしていて、歌手たちが演技する姿を舞台上で傍観者のごとく見ています。また、動作がものすごく速く、小道具を扱うときはみんな走り回る感じで、そのときは歌手まで一緒にスピーディな動きをします。音楽の流れが軽快だからその雰囲気を継続するという考えでしょうか。
4人の恋人たちの関係は特に変わった読み替えもなさそうで、最後はどういうカップルになるのかあいまいなままにしてあります。ただ、ドラベラは姉のフィオルディギリよりフレキシブルな考えのはずが、歌手の演技のせいかあまりそれが感じられず、ちょっと暗い感じがします。

歌手
フィオルディギリを歌ったErin Wallは名前も知らなかった人ですが、今日の出演者の中では一番いい出来でした。潤いのある美声で歌も上手です。この人を5☆とすればMinutilloは3☆、Degoutは4☆、Matheyは3☆、McLaughlinは3☆、Raimondiは4☆というところか。ライモンディは歌は上手かったけれどあまり存在感がなく、2年前にコヴェントガーデンで見たThomas Allenの方がいいと思いました。
これでガランチャが出ていれば5☆同士の姉妹デュエットが聴けたのにと、また残念がってしまいましたが、全体としてはそこそこ楽しめました。

管弦楽
クーンの指揮を経験するのはこの前見たLa Clemenza di Titoに次いで2度目ですが、今日も彼のモーツァルトは全く違和感がありません。序曲からしてとてもすばらしかったと思います。

今日は演奏中にフラッシュを焚いて写真を撮る人が多いのにびっくりしました。過去、ガルニエでもバスティーユでも経験しなかったことで、一体どういう人が見に来ているのか首を傾げてしまいます。
前回は2階のボックス席に座っていて全く感じなかったのですが、今日は地下鉄の響きも何度か気付きました。天井近くはあらゆる音が集まってくるようです。

写真は左から、Shawn Mathey, Stéphane Degout, Erin Wall, Hannah Esther Minutillo, Marie McLaughlin, Ruggero Raimondiです。
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by dognorah | 2006-11-09 10:12 | オペラ
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