ヘンデルのオラトリオ「テオドラ」公演

10月17日、バービカンホールにて。
George Frideric Handel (1685 – 1759): Theodora
Libretto: Thomas Morell (English)
初演:1750年コヴェントガーデン

出演
Theodora: Geraldine McGreevy (soprano)
Irene: Anne Sophie von Otter (mezzo-soprano)
Didymus: Stephen Wallace (counter-tenor)
Septimius: Paul Agnew (tenor)
Messenger: Simon Wall (tenor)
Valens: Matthew Rose (bass)
管弦楽と合唱:Le Concert d’Astrée
指揮:Emmanuelle Haïm

ヘンデルはドイツ生まれながらイギリスに帰化したので上のようにaのウムラウトが取れて、イギリスではハンデルと発音されます。

このオラトリオの内容は、キリスト教がまだ禁制であったローマ帝国の時代に、信徒として捕えられたシリア王家の娘テオドラと彼女に恋をして密かにキリスト教に改宗したローマの役人が彼女の救出に失敗して共に死刑になる過程を描いたもの。

c0057725_20475642.jpgレヴェルの高い演奏でした。管弦楽は2000年にフランス生れの指揮者のアイム(左の写真)によって組織された団体で、合唱に至っては昨年結成されたばかりですが、共にとても上手い。指揮はきびきびしたもので冗長に流れることは一切なく、歌手も歌いやすそう。彼女は身のこなしと指揮ぶりからしてすごく若い人のように見えましたが、近くで見ると結構年をとっていて40歳前後と思われます。

管弦楽と合唱がフランス勢なのと対照的に独唱者は全てイギリス勢です(オッターはスエーデン人ですがロンドンで音楽教育を受けて在住しているのでイギリス人みたいなもの)。この中ではテノールのポール・アグニューの声がバリトン的であまり魅力がなくやや不満がありましたが、後は概していい歌唱でした。ソプラノのマクグリーヴィーは透明ないい声をしています。メゾのオッターはいつもながらとても安定した上手い歌唱です。カウンターテノールのウォーレスはなかなか艶のある声で、歌も上手く今まで聞いたカウンターテノールの中ではもっとも好感が持てました。バスのローズはROHでお馴染ですが、オペラよりこういう独唱の方が存在感を示せる人です。朗々としたすばらしい歌いっぷりで唯一の低音は迫力がありました。

第1部が約75分、第2部と3部がそれぞれ50数分で正味3時間の大曲でしたが、しっかりまとまった好演でした。第1部は長大なので時々失神してしまいましたが。
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by dognorah | 2006-10-18 20:51 | コンサート
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