PROMS:ラトル指揮ベルリン・フィル

9月2日、ロイヤルアルバートホールにて。

プログラム
シマノフスキー:ヴァイオリン協奏曲第1番
ブルックナー:交響曲第7番ホ長調(ノヴァーク版)

演奏
ヴァイオリン:Frank Peter Zimmermann
管弦楽:Berliner Philharmoniker
指揮:Simon Rattle

シマノフスキー(Karol Szymanowski, 1882-1937)はウクライナ生れのポーランドの作曲家です。19世紀のポーランドはロシアの支配下にあったとはいえウクライナもポーランド領だったのですね。

このヴァイオリン協奏曲はCDなどで聴いたことがあるかもしれませんが、実演は初めてです。ヴァイオリン協奏曲ながら3管編成という大きな管弦楽と、ピアノやチェレスタに各種打楽器と舞台上は賑やかです。シマノフスキーがミシンスキーという詩人が書いた「5月の夜」という詩に啓発されて1916年に作曲したものだそうです。かなり現代音楽的構成ですが、ストラヴィンスキーの「春の祭典」がその数年前に初演されていたとはいえ当時としては前衛的な音楽だったのではないでしょうか。いろいろな要素がぎっしり詰まった曲で面白いところもあるのですが私にとってはちょっと難解で全体像が掴めきれず、今後もう少し経験したいところです。演奏される機会は少ないと思いますが。この曲がPROMSで演奏されたのも今回が初めてだそうです。

ヴァイオリン独奏のツィンマーマンは1965年生れのドイツ人。ムターより2歳ぐらい若く、先日聴いたテツラフより1年先輩ですね。ドイツもヴァイオリニストの人材が豊富という印象です。技術的にはかなりの腕の持ち主で、この難しそうな曲を美しい音で丁寧に弾き切っていました。熱狂的拍手にこたえてアンコールはバッハのパルティータ。写真は拍手に応えるツィンマーマンとラトルです。
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シマノフスキーでは指揮者の右側最前列はヴィオラパートでしたが次のブルックナーではそこに第2ヴァイオリンが座り、ヴィオラは第1ヴァイオリンの後ろに移動。チェロとコントラバスは動かず中央から右後方にかけて位置しています。

ブルックナーの演奏は分厚い弦と重厚な金管に支えられてレヴェルの高い壮大な演奏だったと思いますが、私は終始冷静で、昨年聴いたヴィーンフィルによる8番のときみたいに興奮することはありませんでした。演奏自体は十分楽しみましたが感動はそれほどでもなかったというところでしょうか。
何が原因なのかよくわかりませんが、

・ラトルの作る音楽と合わない
・7番より8番の方が好き
・ベルリンフィルよりヴィーンフィルの音の方が好き
・自分の感受性が衰えた

などが考えられます。でもよく考えてみたらずいぶん聴いたこの曲で今まで熱狂的に感動したことはなかったのでした。ザヴァリッシュ指揮ヴィーン交響楽団、ハイティンク指揮ロンドン交響楽団、エルダー指揮ハレ管弦楽団の演奏などが思い出されますが。

長い曲なので演奏中広いステージをぎっしり埋めた演奏者の数を数えてみました。
弦70名:第1V 18、第2V 16、ヴィオラ14、チェロ12、バス10。
木管8名:フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット各2。
金管16名:ホルン、ホルンチューバ、トランペット各4、トロンボーン3、チューバ1。
ティンパニー1名
シンバル1名
トライアングル1名
ということで指揮者を入れて98名でした。この中でシンバルとトライアングルは第2楽章後半でたった1回同時に鳴らすだけで後は出番なし。

終演後は一拍以上の間をおいて熱狂的な拍手が爆発。ラトルはやはりこの国では英雄なんですね。コンサートマスターの安永さんをはじめとするオケメンバーはその様子を冷ややかに眺めていたような。この楽団も安永さんだけでなくヴィオラのプリンシパルに日本人女性がいて、今日は出演していませんでしたが第1ヴァイオリンにも日本人の名前が載っていました。
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by dognorah | 2006-09-03 21:10 | コンサート
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