作曲家 藤倉大

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今年のPROMSで取り上げられた日本人作曲家は二人います。一人は8月3日に登場した細川俊夫で、演奏された作品は"Circulating Ocean"。もう一人が8月28日に登場した藤倉大で作品は"Crushing Twister"です。
両方とも残念ながら聴きに行けなかったのですが、藤倉大の作品が演奏されたコンサートは録画されており、昨日TVで放送されました。この作品はPROMSで演奏することを前提にBBCによって委嘱されたもので、当然世界初演でした。

演奏
管弦楽:BBC Concert Orchestra
指揮:Charles Hazlewood

この"Crushing Twister"というのはポップミューシックのDJがスタジオで二つのターンテーブルに乗せたレコードを両手で回して両者の音をミックスすることで特殊な効果を出す動作にヒントを得て作曲されたそうです。
舞台上では、弦楽器奏者が左右に二分され、それぞれがターンテーブルを表現するらしい(下の写真参照)。
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演奏開始前に曲の解説が指揮者によってなされたのですが、二つのグループは微妙に異なる時間差で演奏しなければならず、演奏側にとっては非常に難しいと指揮者はこぼしていました。音がずれているからといって、このオーケストラのアンサンブルが悪いなんて思わないで欲しい、と笑を誘ったり、かなり的確にわかりやすく曲の性格を解説したのは聴衆にとってありがたいことです。

で、この曲ですがジャズやポップスの要素も取り入れられているものの、なかなかユニークな音と表現でよく出来た曲と思いました。打楽器も工作室で使う金床を金槌で叩くなど多彩で効果的な使用法です。演奏時間は10分に満たないものですが、音楽としてはかなりエネルギーの凝縮した佳作です。

写真は演奏後、舞台上に顔を見せた作曲家と指揮者です。
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彼がBBCのインタヴューで語っているところによると、オーケストラは当初この作品に非常に戸惑っていたのが、自分の説明を指揮者のヘイズルウッドが理解してくれ、彼が指示すると音が出来ていくことからオケメンバーも彼についていくようになり、最終的には自分の意図したことを全て表現してくれたということで、この指揮者を高く評価しています。

藤倉大さんは1977年生まれですが、15歳のときに単身英国に留学し、そのままこの国で活動しています。すでに輝かしい経歴を持っていますが詳細はWikipediaをご覧ください。
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by dognorah | 2006-08-31 21:12 | コンサート
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