PROMS:マズア指揮フランス国立管弦楽団

8月29日ロイヤル・アルバート・ホールにて。

プログラム
Hans Werner Henze: Five Messages for the Queen of Sheba
Dmitri Shostakovich: Symphony No.7 in C major “Leningrad”

演奏
Orchestre National de France
Kurt Masur

クルト・マズアは昨年はロンドンフィルとの共演でプロムスに出演したが、今年はフランスの手兵を引き連れて登場。渋いプログラムのせいか観客は4割程度の入り。

ヘンツェの曲は2004-5年の作で、2003年に初演されたオペラ"L'Upupa"から一部を抜粋して組曲にしたものという。先日聴いた"Voices"よりもはるかに楽しめた。演奏も上手かったし、これだったらもう一度聴いてもいいかな。

ショスタコーヴィッチの作品は、第1楽章がラヴェルのボレロやレハールのメリー・ウイドーなどいくつかのテーマやスタイルを借りてくるという彼が良くやる手法満載のもの。バルトークが「管弦楽のための協奏曲」の中で引用して茶化している部分もあったりして、発表当時は結構他の作曲家が物議を醸したらしい。それはともかく、音楽は感情の爆発のような激しいピークを持つもので、第2楽章以降もそういう部分が散見され、さしせまった戦時下の環境が大きく影響したようだ。第3楽章は美しく、第4楽章は壮大な終わり方をする。交響曲としては結構楽しめる。しなやかで力強い演奏だった。

管弦楽団は久しぶりに聴いたので前回との比較は全く出来ない。ロンドンで言えばBBC交響楽団と同じ立場と思うが、技量は高くなかなかすばらしい音を出していた。メンバーは全体に若々しい。弦では東洋人も結構目立つ。マズアとのコンビはもう4年くらいになるらしいが、とても息が合っている感じだ。両曲ともレヴェルの高い演奏で、特にショスタコーヴィッチは名演と思う。写真は聴衆と楽団から拍手を受けるマズア。
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余談ながらこのオーケストラもイギリスの団体と同様にコンサートマスターはメンバーが着席してから単独で出てきて聴衆の拍手を受ける。イギリス以外のオーケストラでは初めて見る光景である。
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by dognorah | 2006-08-30 22:38 | コンサート
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