フォンテーヌブローから最終宿泊地のフォスーズまではパリの環状道路を通るのが最短距離である。しかしあらゆる方面からの道路が複雑に接続されていて標識だけを見ながら間違えずに目的の道路に抜け出すのは至難の業だろうと思って、ここは完全にナヴィゲーションシステムの言いなりになって走った。このシステム、他の場所ではずいぶんドジをやってくれたし、丁度夕方のラッシュ時で各車線とも車で溢れかえっていたので一抹の不安はあったが、ここでは奇跡的に正確に導いてくれた。
宿泊先はB&Bなのだが、下の写真に示すような風格のある16世紀のシャトーで、大きな池もあるだだっ広い敷地に悠然と立っている。経営者はかなりの老夫婦で、奥さんはアイルランド生れの人なので久しぶりに流暢な英語が聞けた。広すぎて手入れが大変なのか、最上階の部屋は全く使っていないようだ。 翌朝はブーローニュ・スール・メールのフェリー乗り場に行くだけなので、途中通るボーヴェ(Beauvais)で大聖堂を見物した。ボーヴェはかつてタピストリーの生産地として有名だったようだ。街は先の戦争でかなり破壊されたらしいが、この大聖堂は過去に2回も崩壊した歴史があるものの戦災は生き延びたという。 ステンドグラスは割れてしまったせいか現代作家の作品が多い。 次の写真は1868年にAuguste Veriteというボーヴェの技術者によって作られた天文時計である。大きくて立派で、一部ディジタル表示もある。もちろんちゃんと動作しており、一日に数回有料で解説が催される。 次の写真は、1303年製の世界で最も古い時報時計である。こんなに時計をキープしているというのは、いい時計職人を生んだ街でもあるのだろうか。 この後は高速道路A16をひたすら北上するだけでブーローニュに到着する。フェリーの運航もほぼ予定通りで、予想はしていたがドーヴァーに着いても同じ暑さだった。
by dognorah
| 2006-08-23 03:19
| 旅行
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Comments(4)
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助六
at 2006-08-24 11:12
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最上階というのは屋根裏部屋ですよね。この種の傾斜屋根真下の屋根裏は鉄板の下のいるようなもんですから、冬の寒さ、猛暑時の暑さは想像以上です。高級な建物になると使わないままになっているケースも結構ありますね。
ボーヴェ大聖堂は内部見学再開してるんですね。私は随分前晴れた夏の日に見に行ったことがあります。内陣の高さは世界一とかで、当初の設計にムリがあり13世紀に既に一度天井が落ちてるそうですが、10年前くらいに深刻な倒潰危険性が指摘され、長期大工事が必要とか一騒ぎありましたが、その後どうなったのか注意してませんでした。 盛期ゴシック聖堂は今ひとつピンと来ないのですが、アミアンには感動しました。初期ゴシックの方が趣味で、パリのノートルダムは文句なく素晴らしいし、ランも丘の上の街共々好きです。「フランスのアッシジ」はいくらなんでも大袈裟ですが。
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dognorah at 2006-08-25 02:43
>最上階というのは屋根裏部屋・・・
あ、そうですよね。シャモニー近くの山小屋では一番上だったのでちょっと参りました。 ボーヴェ大聖堂は高い柱の間を鉄骨のようなもので結んで補強してありました。まだ何かやりかけのような感じです。 アミアンの大聖堂も行ったことがありますがどっしりした圧倒的な存在感がとても印象的でした。ゴシック建築の時代的変遷というものはあまり注意を払ってこなかったのですが、12-3世紀のものがお好きなんですね。
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dognorah at 2006-08-28 20:27
合宿から帰られたんですね。おさかな♪さんもフランス滞在中は教会をよく見て回りましたか?私は信者ではないのですが、建築や美術に興味があってよくあちこちのものを見ています。
教会でのライヴ演奏はロンドンではいっぱいあります。多分あるところに登録すると順番に演奏させてくれるんじゃないかと思っているのですが。いつか聴かせていただきたいです。
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ロンドンに在住です。オペラ、バレー、コンサート、美術展などで体験した感動の記憶を記事にし、同好の方と意見を交わしたいと思っています。最新の記事はもちろん、過去の記事でもコメントは大歓迎です。メールはここにお願いします。
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