PROMS:オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」

8月20日、ロイヤル・アルバート・ホールでのコンサート形式。
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作品
ショスタコーヴィッチ(Dmitry Shostakovich)作曲(1932)全4幕
リブレット:Alexander Preys & Dmitry Shostakovich
初演:1934年レニングラード

出演(主要人物のみ掲載)
Katerina Izmailova: Larisa Gogolevskaya (soprano)
Boris Izmailova: Sergey Alexashkin (bass)、Vladimir Ognovenkoの代役。
Zinovy Izmailova: Evgeny Akimov (tenor)
Sergey: Viktor Lutsiuk (tenor)
Priest: Mikhail Petrenko (bass)
Sonyetka: Olga Savova (contralto)
Chorus and Orchestra of the Mariinsky Theatre (Kirov Opera)
Conductor: Valery Gergiev

あらすじ
商人イズマイロワ家に嫁いだカテリーナは5年にもなるのに子供が出来ず毎日退屈な日を過ごしている。夫のジノヴィは忙しいし、舅のボリスは口うるさくて辟易だ。そんなある日、夫の留守中に従業員のセルゲイと関係を持ってしまう。それをボリスに見つかり、セルゲイは鞭打ちされた挙句監禁される。憎しみが燃え上がったカテリーナは殺鼠剤入りの茸料理をボリスに食べさせて殺す。みんなには茸中毒と説明する。セルゲイを開放し、毎日愛欲生活を送るが出張から帰ってきた夫に見つかり、セルゲイに彼を絞め殺させる。死体をセラーに隠すが、ワインを盗みに入った従業員がそれを見つけ、結婚披露パーティの最中に二人は警察に逮捕される。囚人として移送される途中で、セルゲイ絡みで彼女を馬鹿にした囚人仲間の女性を河に突き落として殺し、自分も身を投げて自殺する。

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このオペラは映画版をヴィデオで見たことがあるので筋はよく知っているが舞台は見たことがない。2年前のロイヤルオペラのプレミエを見逃してしまい、この秋に再演されるのを見る予定である。

ゲルギエフ3連荘となったこの週末は、日を追うごとに観客の数は減っていったがそれでも今日の入りは7割程度か。しかし、出来は今日が一番である。コンサート形式とはいえ、キーロフ・オペラの実力をまざまざと見せてくれた完璧な上演だった。ゲルギエフの指揮がリズム、テンポ、ダイナミズム、旋律の歌わせ方、どれをとってもすばらしいの一言。

歌手陣も総じて上手いが、主役のカテリーナを歌ったラリサ・ゴゴレフスカヤは特筆に価する声と歌唱だ。背はあまり高くないのに横幅がえらくあってウエストなどない立派な体だが、それにふさわしいヴォリュームで美しい声を響かせる。最も歌う時間が長い役だから、それがしっかりしていないと成り立たないオペラなのだ。セルゲイを歌ったテノールも上手かったが、ちょっとしか出番のないジノヴィを歌った人も注目すべきいい声をしている。ボリスを歌ったバスは代役だったせいか最初は緊張してあまり声が出なかったが、落ち着いてくると迫力ある低音が出るようになった。この人自身が、昨日は急病で降板したのだが、あまり大したことはなかったらしい。警察官など脇役も全て水準が高い。下の写真は、ゲルギエフの向かって右が主役二人のゴゴレフスカヤとルチューク。
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このオペラは音楽的にはショスタコーヴィッチ会心の作といえる。美しいメロディ、彼特有のユーモア、劇的な構成など音楽を聴いているだけでも楽しめる作品である。
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by dognorah | 2006-08-22 02:44 | オペラ
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