ボリショイの「白鳥の湖」

8月4日、ロイヤルオペラハウスにて。

Music: Pyotr Ilyich Tchaikovsky
Libretto: Yuri Grigorovich
Production: Yuri Grigorovich
Choreography: Marius Petipa, Lev Ivanov, Alexander Gorsky and Yuri Grigorovich
Designs: Simon Virsaladze
Conductor: Pavel Sorokin
Orchestra of the Bolshoi Theatre

Cast
Odette / Odile: Svetlana Lunkina
Prince Siegfried: Dmitri Gudanov
The Evil Genius: Dmitri Belogolovtsev
The Princess Regent: Maria Volodina
The Tutor: Alexei Loparevich
The Fool: Denis Medvedev
その他略

振り付けはオリジナルのプティパのものに対して3人が次々と手を加えたもの。台本の名前が載っているというのはシナリオを少し変えたという意味だろう。それだけでなく、チャイコフスキーのオリジナルの曲の順番も少し変えているらしい。

ここのプリマであるSvetlana Zakharovaは前日に出演したので今日はルンキナというプリンシパルが出演。容姿もいいし主役を演じるには十分な実力の持ち主で手足の細かい動きも美しい。王子役とのコンビネーションもすばらしかった。ザハロワは見たことがないので比較できないが。
第2幕の例の32回転はそれほど印象的ではなかった。ちゃんと32回回ったのかどうか。前日の公演を見たstmargaretsさんも書いていたが回転し出してすぐに拍手が起こってしまって気が散って仕方がない。大体拍手が多すぎる。もう少し落ち着いて鑑賞したいものだ。音楽が、ジャンと終わるだけで拍手する人もいるのには閉口する。
王子をやったディミートリ・グダノフは1975年生れのダンサーであるが、非常にスムーズな動きがぴたっと決まっていて安心して見ていられる踊りであった。ジャンプも結構高く足捌きが美しい。第1幕第3場のオデットとの踊りはすばらしく、二人の出来はほぼ完璧ではないかと思った。感動もの。
悪魔も力強い踊りで文句なし。ここまでの3人が本日のPrincipal Dancersである。後印象に残ったのは道化役のデニス・メドヴェジェフ、この人はFirst Soloistであるが軽い身のこなしが気持ちよく、ダイナミックで魅力的な踊りであった。ところでこの役どころは他の劇場のプロダクションでは存在しないのでボリショイ特有のものか(他のプロダクションでは友人Bennoのはず)。

全体としてはさすがにボリショイと思わせるレヴェルの高さで、各場面であるグループの踊りもとても上手い。白鳥の群舞はあまり揃っていなくて美しさがやや損なわれていたが、チャイコフスキーの最高バレー、十分楽しませてもらった。今更ながらこの作品のすごさを認識できたし、このオーソドックスな振り付けに対してマシュー・ボーンがあそこまで仕事をしたというのにも改めて感心した。才能さえあればまだまだ新規振り付けが出来る余地が十分あるということだろう。

舞台装置はかなり簡素なもので、金糸の入った幕を上げ下ろしして各場面の雰囲気を効果的に変えていたが豪華さはあまりない。

ついでに悪口を書かせてもらうと、オーケストラがひどい。各パートのソロはみんな上手いのだがアンサンブルが貧弱で興醒め。特に弦が薄っぺら。ちゃんと第1ヴァイオリンは14人いるのだが。指揮の問題かも。指揮といえば、次のダンスが始まるまでしばらく(10秒くらいか)無音の時間が頻繁にあったがあれも流れが阻害されて頂けない。ダンサーとのタイミングの取り方が問題か。
写真はカーテンコールに応える主役二人(左後方は悪魔役)。照明不足でちょっと粒子が粗いです。
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by dognorah | 2006-08-06 00:09 | バレー
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