Hans Werner Henze:  Voices

PROMSの今夜(8月1日)の演奏会は7時と10時開始の2回ある。その遅い方の演奏会が、80歳になるドイツ生れの作曲家ヘンツェの演奏時間90分を越す大曲“Voices”である。Song-cycleと呼ばれている。1973年の作品という。
ヘンツェは戦後ドイツにおける彼の政治的姿勢や同性愛に対する攻撃に嫌気が差して1953年にイタリアに移住し、そこで共産党に入党している。ホー・チー・ミンやチェ・ゲヴァラを褒め称える曲もあるとのこと。名前だけは聞いて知っていたが作品を聴くのは多分これが初めてか。オペラ作品もたくさんあるのでそのうち見るチャンスもあるだろう。最近どこかで三島の「午後の曳航」をベースにしたオペラ公演をやっていた記憶があるが正確なことは忘れた。

演奏
メゾソプラノ:Mary King
テノール:Christopher Gillett
指揮:Oliver Knussen
管弦楽:London Sinfonietta

全体は2部に分かれ、それぞれが10以上のパートで構成されている。各パートは必ずメゾソプラノまたはテノールあるいは両方の歌声が入る。楽器の方は弦が各パート一丁ずつ、多数の打楽器、ギター、マンドリン、アコーディオン、ハーモニカ、キーボード、ピアノ、チェレスタ、トロンボーン、リコードなどに加えて紙を裂く音、風船を割る音、足踏み、オケの団員によるバックコーラス、スピーカーから流れる騒音など種々雑多である。歌詞のほうはいろいろな言語を使っているらしいが英語とドイツ語だけは認識できた。ヴェトナムか中国語もあったような。何かに対するオマージュか抗議かレクイエムか。多分全てを含むのだろう。音の方は現代曲的であったり、ミュージカルのようであったりとこれもスタイルを変える。前半は正直言って非常に退屈、後半になって管弦楽の音も豊富になり、やや持ち直す。メゾソプラノの歌うパートで魅力的な部分もあった。テノールがもう少し上手ければ印象も少しは違うだろう。しかし全体としては訳のわからない音楽だ。残念ながらお手上げ。
テノールは並みの歌手だが、メゾソプラノはかなりの歳にも拘らず結構頑張っていた。
オケの団員は普段の受け持ち楽器以外のことをいろいろやらされてご苦労様。

指揮のオリヴァー・ナッセンはイギリス人作曲家兼指揮者で1952年生れ。偉く太った大きい人だが、指揮ぶりは明快で、彼の指揮で退屈になったとは思わない。写真中央の大きい人がナッセン。
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会場の客の入りは1-2割程度。退屈して途中で帰る人も割と目立った。
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by dognorah | 2006-08-03 00:53 | コンサート
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