小野明子ヴァイオリンリサイタル

6月26日、ウイグモアホール(Wigmore Hall)にて。

ヴァイオリン:小野明子(Akiko Ono)
ピアノ:Gordon Back

プログラム
・Igor Stravinsky (1882-1971)
Suite from Pultinella for violin and piano (1921-25)

・Leos Janáček (1854-1928)
Violin Sonata (1914-21)

・Eugène Ysaÿe (1858-1931)
Au Rouet 2ème Poème Op.13 (c1900)

・Richard Strauss (1864-1949)
Violin Sonata in E flat major Op.18 (1887-8)

アンコール
(1)ブラームスの何か
(2)クライスラー「愛の哀しみ」

c0057725_2017880.jpg小野明子さんは1978年東京生れ。12歳でメニューイン音楽院に入学。ユーディ・メニューイン最後の愛弟子とのこと。2000年にメニューイン国際音楽コンクールで優勝したのを皮切りに各地のヴァイオリンコンクールで入賞して国際キャリアを積んできた。現在使用しているヴァイオリンは1772年のJ. B. Guadagnini。

ピアノのゴードン・バック氏はウエールズ出身、小野さんが生まれた年には既に国際的に名前の知れた伴奏ピアニストで、今までにメニューイン、ミルシュテイン、パールマン、ヴェンゲロフ、ヨー・ヨー・マなど錚々たる演奏家の伴奏をしてきた大ヴェテランである。1974年に異例の若さでGuildhall School of Music and Dramaの教授に就任し、現在はユーディ・メニューイン・ヴァイオリンコンクールのディレクターである。

今日のプログラムは結構渋い。私はほとんど初めて聴く曲ばかりである。しかしどの作品もすばらしい曲であり演奏であった。彼女のヴァイオリンは深みのある美しい音色を奏で、音楽を聴く喜びに浸らせてくれる。特にヤナーチェックとシュトラウスのヴァイオリンソナタは聴き応えのある曲で彼女の解釈も完全に納得のいくもの。伴奏大家のピアノはさすがにすばらしく、ヴァイオリンと一体となってレヴェルの高い音楽を構成している。
全く知らなかった演奏家で、日系コミュニティ紙の記事で知って急遽来たのだが、聴きに来てよかったとしみじみ思った。下の写真は終演後の拍手に応える両氏。
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彼女にとっても恐らくこれがウイグモアホールデビューであっただろうけれど、大成功と思う。聴衆は当然日本人も目立ったもののイギリス人が大半であった。満員とは行かなかったものの本当に音楽を愛する質の高い人たちで、暖かい拍手が長く続いたのでアンコールの2曲目は躊躇する彼女をバック氏が促して弾かせた形になった。ところで、各曲の演奏終了後は主役が伴奏ピアニストを立てる仕種をして敬意を表してから聴衆にお辞儀するのが普通であるのに、彼女がそういうことを一切しなかったのがちょっと気になった。なにはともあれ、今後の小野さんの活躍を期待したい。なお、8月には日本でリサイタルが予定されているとのこと。お勧めです。
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by dognorah | 2006-06-27 20:23 | コンサート
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