マーラーの交響曲第3番

6月25日、バービカンホールにて。
Gustav Mahler: Symphony No.3

指揮:Paavo Järvi
メゾソプラノ:Lilli Paasikivi
合唱:Ladies of the London Symphony Chorus
Boys of King,s College Choir, Cambridge
管弦楽:London Symphony Orchestra

イングランドとエクアドルの試合のキックオフは4時。6時には試合が終わるだろうからそれまでに家を出てバービカンホールに向かう。いつものようにバス、BR、地下鉄と乗り継いで行くも全てガラガラ、道路もガラガラ。とても気持ちがいい。こういう状態が数日に一回起こるなら、このままイングランドが勝ち進んで欲しい(^^)

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指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ(写真左)はエストニア生まれで現在Cincinnati Symphony Orchestraの音楽監督で、今秋からFrankfurt Radio Symphony Orchestraの音楽監督も兼任することになっている。先月、Deutsche Kammerphilharmonieを率いて日本でベートーヴェンの交響曲チクルスをやったようだ。リリ・パーシキヴィ(写真右)はフィンランドの歌手である。

マーラーの交響曲第3番は1896年夏にザルツブルグ近くのアッター湖畔で書き上げられた。完成直前に、ハンブルク歌劇場で自分の助手をしていたブルーノ・ワルター(当時19歳)を湖畔の家に招び、ピアノで全曲を演奏して聴かせたという。そのときワルターは初めてマーラーという人の音楽的本質を知ったと述懐している。
1902年の初演時には各楽章と全体に対していろいろ題名をつけて聴衆に紹介したもののそれを後悔し、以降題名を全部取り去って純粋音楽として提示することを望んだという。ワルターはそれについて「ほら、家を建てるときは足場を組むけど、完成したらそれを取り払うでしょ?」と面白い説明をしている。

ヤルヴィの指揮は、第1楽章は速めのテンポで雄々しく開始。その後もずっと速めのテンポでダイナミズムを強調する演奏で、やや力任せの感がしてマーラーの世界になかなか入れない。全曲を通じて管楽器を中心とするハーモニーの乱れが時たまあるのも気になる。冒頭のテーマが繰り返される辺りから少しずつしっとり感が出てきて、第2楽章以降はテンポもゆったりしてきて結構楽しめた。第4、第5楽章でのメゾソプラノは美しい声と深みのある表現がとてもすばらしく、合唱と共に一番マーラーらしい表現になった。最終第6楽章もその流れで美しく、起伏の表現もすばらしい。このように後半はかなり挽回したものの全曲を聴き終えての満足感はやや乏しく、昨年8月にPROMSで聴いたクリーヴランド管弦楽団の演奏は名演であったことが改めて認識できた次第。指揮者とオーケストラの両方ともちょっと格が違う印象である。
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by dognorah | 2006-06-26 19:59 | コンサート
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