マッケラスの80歳記念コンサート

6月20日、クイーン・エリザベス・ホールにて。

Sir Charles Mackerrasは1925年11月生まれなので、昨年11月に80歳になっているのですが、今月2回にわたって彼の80歳記念コンサートが開かれました。本日はその2回目です。お祝いに駆けつけたのは今年75歳のアルフレッド・ブレンデルでした。

演奏
指揮:Sir Charles Mackerras
ピアノ:Alfred Brendel
管弦楽:Philhamonia Orchestra

プログラム
ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲とヴェヌスブルクの音楽
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調、K.595
シューベルト:交響曲第9番 ハ長調

最初のタンホイザーの音楽は、やや速めのテンポで演奏されましたが、前半の無限旋律部がちょっとイメージではなく違和感あり。しかし中間部のヴィーナスのテーマ以降はその早目のテンポも功を奏して躍動感溢れるすばらしいものでした。

モーツァルトのピアノ協奏曲はもちろんテンポ設定したのはブレンデルでしょうが、非常にオーソドックスな演奏で、モーツァルトというのはこういう風に演奏するんですよ、と見本を示しているようなスタイルでした。ブレンデルは顔や体をリズムに合わせて細かく震わせながら曲にのめりこんでいます。気品のある演奏ながら、レコードを聴くような感じなので演奏会としてはちょっと面白味に欠けたかもしれません。この人は1971年以来ロンドン在住なのでファンも多く、終演後は大歓声でした。マッケラスは非常に歯切れよい演奏でちょっとピアノとは対照的ですがメリハリの効いたよい指揮でした。写真は75歳と80歳のコンビです。
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最後のシューベルトは、第1楽章を聴いた段階ではダイナミズムといいアンサンブルといいとてもすばらしく、これはひょっとして名演になるかもと期待しましたが、全部を通して聴くとやや一本調子で飽きが来てしまいます。この曲は結構陰影があって切ない気持ちの吐露などがあると思っているのですが、マッケラスの演奏は日の当る面ばかり見せるような感じで影は置いてけぼりです。オケの演奏はかなり水準が高く、とても元気なのでブラボーがたくさん出ていましたが、ちょっと私のイメージではなかったのです。写真は拍手に応えるマッケラスとフィルハーモニア管弦楽団です。
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それにしてもマッケラスは80歳とは思えない元気さで、溌剌とした音楽を作ります。両腕の振りも派手で、相変わらずやや速めのテンポでぐいぐいとオケをリードします。休憩後のシューベルトではオケメンバーも指揮者も示し合わせて白い夏の上着を脱いで演奏していました。長い曲だし暑いから脱いじゃえということになったのかも。

余談ですが、上の写真に目障りなマイクがたくさん写っています。このフィルハーモニアだけでなくLSOもそうなんですが、最近本番演奏をCD用か放送用かの目的で録音するのはいいけど、まるで聴衆に遠慮することなくでかいマイクスタンドを立てるというのはやめて欲しいなと思います。もっとこっそりマイクを仕込んでもいい音で録音する技術はあると思うのですが。
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by dognorah | 2006-06-21 17:51 | コンサート
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