シューベルトの歌曲集「白鳥の歌」

6月1日、ハイドパークチャペルにて。

Baritone: Nicholas Merryweather
Piano: Marc Verter

Franz Schubert: Schwanengesang D957
 Der Atlas
 Liebesbotschaft
 Kriegers Ahnung
 Frühlingssehnsucht
 Ständchen
 Aufenthalt
 In der Ferne
 Abschied
 Am Meer
 Das Fischermädchen
 Ihr Bild
 Die Stadt
 Der Doppelgänger
 Die Taubenpost

大柄な歌手である。ニコラス・メリーウエザーは2003年にロンドン大学で近代言語学の学士を得た後Guildhall School of Music and Dramaのオペラコースに進んで現在に至る。ロンドン大学在学中にケルンのHochschule für Musikにも留学している。合唱やオペラで多彩な経験を積んでおり、オペラ歌手としての道を歩みたいようだ。

ピアノのマーク・ヴァーターはテル・アヴィヴの音楽大学を1999年に出たあとインディアナ大学でも学び、修士を得て、さらにGuildhall School of Music and Dramaでも修士を得てソリストならびにコーチの資格を持つ伴奏ピアニストとして活躍中。2004年のベルギーのQueen Elisabethコンクールでは公式伴奏ピアニストを務めた。

「白鳥の歌」はシューベルトの3大歌曲集の中では最も歌われる機会の少ないものと思われますが、会場に来てプログラムを知り、望外の喜びに浸ったのでした。
ニコラスは声量がとても豊かでフォルテのときの声も美しい反面、弱音部で声がかすれ気味でときどき音程も不安定になる欠点を持っています。表現したいニュアンスに集中するあまり肝心の歌唱テクニックがついて行かないといったところでしょうか。でも、そのあたりを改良すればスケールが大きいいい歌手になる素質があると思いました。声を大きく張り上げて歌う部分はほんとにすばらしく、うっとりします。
ピアノのマークは歌手にとって歌いやすい伴奏だと思うのですが、もう少しつぶら立ちよい音を出してほしいとか、もう少し自己主張があってもいいのじゃないかと思うところはあります。特に第5曲目の有名な曲Ständchenで。
昔フィッシャーディースカウとジェラルド・ムーアのLPを持っていましたが、この曲を聴くのはひょっとしてそれ以来かもしれません。久しぶりに聴いてとても楽しませてもらいましたが歌曲集としてはやはり「冬の旅」の完成度には及ばないことも再認識しました。
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by dognorah | 2006-06-02 07:21 | コンサート
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