ユンディ・リーのピアノリサイタル

5月15日クイーン・エリザベス・ホールにて。

ピアノ:Yundi Li
プログラム
・モーツァルト:ソナタハ長調 K.330
・シューマン:カーナヴァル Op.9
・リスト:ソナタロ短調 G.178
・ショパン:Andante spianato & Grand Polonaise brillante Op.22

2月にチョンの指揮でショパンの協奏曲を聴いた人です。
今回は当初発表していた前半のショパンプログラムを変更してモーツァルトとシューマンを入れました。もうショパン弾きのレッテルを引きずりたくないという意思の表れでしょうか。また、リストのソナタは一度引っ込めてRhapsodie espagnoleにしていたのを再びソナタに戻すという奇妙なこともしている。揺れ動く心を見るよう。結果としては当初のものよりはるかに意欲的なプログラムですが。開始10分前まで聴衆を締め出して練習している姿がモニターに映っていました。そういう性格の人なのでしょうか。

モーツァルトのソナタは喜びに溢れるような感じがたっぷりで、聴いていて幸せになるような心温まる演奏です。やめないでいつまでも弾いていてほしいと思わせるすばらしいモーツァルトでした。

2曲目のカーナヴァルも立派な演奏ですが、シューマンのロマンティックな詩情溢れるというイメージではなくやや距離を置いた無機的な表現かと思います。元来それほど好きな曲でないせいか私はあまり演奏にのめりこめない感じです。

3曲目のリストは、がんがんダイナミックに弾き切るそのテクニックにまず圧倒されます。鍵盤上の手の動きがよく見える席だったので余計指捌きに感嘆させらました。全体としてはかなり暗めのニュアンスで、ロマンティックな叙情性も時折感じられるものの全体を支配しているわけではありません。しっかりした構成のレヴェルの高い演奏で結構楽しめましたが、ちょっと気負いすぎの感があります。

4曲目のショパンは、手馴れた曲で華々しく締めくくろうという意図でしょうか。その通り、さすがにすばらしい演奏でした。何よりも曲への共感が100%感じられるし、ダイナミックさを抑えた細やかなニュアンスの絶妙なタッチ、詩情を大切にするように美しい表現、と言うことなし。

アンコールは2-3分の短い曲を1曲。リストでしょうか、よく知りません。

すべて納得できるというものではありませんでしたが、全体としてはさすがと思わせるいいリサイタルだったと思います。

今日のホールはほぼ満席の人気コンサートでしが、最後の小節を弾き切る前に拍手を始める人が何人かいて、ちょっと不愉快だった。何で人より早く拍手をしたくなるのだろうか。理解できない。
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by dognorah | 2006-05-17 19:02 | コンサート
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