テミルカノフ指揮ロンドン交響楽団

5月7日バービカンホールにて。

今日のコンサートは以前聴衆にCDセットを無料配布してくれたスイスの金融会社UBSがスポンサーでした。今日は残念ながらCDのプレゼントはなし。しかし趣向を変えて、有望な若手作曲家に管弦楽作品を委嘱しその初演を本番プログラム前にロンドン交響楽団に演奏してもらう、という LSO and UBS Sound Adventures と銘打った企画を演出してくれました。これもお金の使い方としてはとてもすばらしいアイデアでしょう。

c0057725_22484951.jpg紹介された作曲家はJames Olsen(1982年生れ)という人で2003年にケンブリッジのKing’s Collegeを卒業、作曲は15歳ぐらいからやっているそうです。舞台に出てきましたが写真でも見られるようにスマートな青年です。
作品:Composition(2006年1月30日作曲)
演奏:Paul Watkins指揮ロンドン交響楽団

10分程度の曲ですが、静かに奏でられる弦に乗って木管と金管が突発的に奇妙なメロディを加えていくもの。後半はCDぐらいの大きさの金属板をずらっと並べた打楽器がチンチンと派手に音を鳴らしながら管弦楽がうねっていきます。全体としては情念的暗さが支配しています。よく理解できたわけではありませんが退屈ではありません。

さて、本番のプログラムは、
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
マーラー:交響曲第1番

ヴァイオリン:リサ・バティアシュヴィリ(Lisa Batiashvili)
指揮:ユーリ・テミルカノフ(Yuri Temirkanov)

c0057725_224935100.jpgバティアシュヴィリというヴァイオリニストは初めて聴きますが、グルジア生れの27歳(既に1児の母ですが)。16歳でシベリウスコンクールで2位に入賞して以来世界中で活躍しているようです。写真で見る通りなかなかの美人ですね。舞台でもすらっとした容姿が映えます。

演奏はとてもよかったと思います。日本音楽財団がストラディヴァリウスを貸与しているだけのことはあります。ところであちこちで演奏家がこの財団から楽器を貸与されていますがここはいったい何丁のストラディヴァリウスを管理しているのでしょうか?
c0057725_22503239.jpg話が横道にそれましたが、特に第2楽章はヴァイオリンとオーケストラが速めのテンポで鋭い音をぶつけ合うシーンは迫力があって秀逸で、じっと聞き入ってしまいました。第3楽章の緩徐部分も美しく、全体としてもプロコフィエフの特徴であるあっさりした美しさがよく表現されています。左の写真は演奏後オケとお互いに讃えあう姿です。黒地に赤い花をあしらったドレスもとてもよく似合っています。

テミルカノフという指揮者も初めての経験です。1938年生まれというともう大ヴェテランですね。なぜか今まで接点がなかった。
マーラーの1番、面白い演奏でした。第1楽章はゆっくりしたテンポで始まりますが音量の上がるところでは思いっきりダイナミックに演奏すると共にテンポも早めて激しさを強調します。第2楽章と第3楽章はマーラー特有のけだるさがたっぷりと表現されます。俗っぽくなる一歩手前で抑制して節度を保っているのはさすが。第4楽章はまたダイナミックにうねらせて興奮を掻き立てる演奏ですが、それもよくコントロールされています。自在にオケを操る様は小気味よいくらい。コーダの部分では8人のホルン奏者が立ち上がって演奏し、劇的な終わり方で歓声を引き出します。あまり重くないマーラーでイメージとは違いますが楽しめました。写真は拍手に答えるテミルカノフです。
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by dognorah | 2006-05-08 23:00 | コンサート
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