ソプラノとバリトンのリサイタル

4月7日、セント・ジェームズ教会にて。
ソプラノ:Eliana Pretorian(エリアナ・プレトリアン)
バリトン:Seung-Wook Seong(スン・ウーク・ソンと読むのでしょうか?)
ピアノ;Kirsten Simpson

c0057725_2057575.jpgソプラノは1981年ルーマニア生まれ。ルーマニア国内でのコンクールで2年連続優勝して奨学金を得てRoyal College of Music (RCM)に留学し、現在そこのオペラスクールに属している。2005年のKathleen Ferrierコンクールで史上最年少ファイナリスト。Cadogan Hallなどあちこちで出演しているが、今年の秋にはBritish Youth Operaでドン・ジョヴァンニのツェルリーナ役を歌うことになっているという。


c0057725_20583131.jpgバリトンは韓国出身、やはり奨学金を国内で得てRCMに留学。キリ・テ・カナワなどの著名な歌手の指導を受けて彼らとのジョイントコンサートをこなし、ホランド・パーク・オペラを含むいくつかの地方オペラでかなりの実績を積んでいる。スポンサーが付いたので、今後はNational Opera Studioでさらに腕を磨く予定。

ピアニストはニュージーランド出身、RCMを2004年に卒業して現在はPostgraduateとしてさらに伴奏ピアニストとして研鑽中。

プログラム
Seung-Wook Seongが歌った曲
(1)The Vagabond (from Songs of Travel) by Vaughan Williams
(2)O Carlo, ascolta … lo morro (from Don Carlo) by Verdi
(3)San ah (oh, mountain) by Dong-Su Shin
(4)O stay, my love, forsake me not! By Rachmaninov
(5)Don Juan’s Serenade by Tchaikovsky
(6)Rollicum-Rorum by Finzi
(7)To Lizbie Brown by Finzi

Eliana Pretorianが歌った曲
(1)Fetes galantes by Poulenc
(2)O Mio Babbino Caro (from Gianni Schicchi) by Puccini
(3)Vai, badita, dragi ne-avem by Brediceanu
(4)Canta puiul cuucului by Brediceanu
(5)Spring waters by Rachmaninov
(6)Adieu, notre petit table by Massenet
(7)Quando men vo (from La Boheme) by Puccini

二人のデュエット
(1)Bess You Is My Woman by Gershwin
(2)Act 2 Duet from La Traviata by Verdi

結論から言うと、韓国人のバリトンはすごいです。目をつぶって聴いているとそこにトーマス・ハンプソンが歌っているといわれても信じてしまうぐらい。声よし、歌よし、声量あり。2曲目のドン・カルロでロドリーゴが歌うアリアは迫力満点。実際のオペラで聴いてみたい人です。

ソプラノの声質はコロラトゥーラ・レッジェロでしょうか、やや繊細な声ですが、高音の伸びは十分で、気持ちよくびんびん響きます。ただ、弱音時の高音部と、中音部がややかすれるというかしわがれるというか聞き苦しくなります。今日の調子が悪かったのかもしれませんが。でも、歌そのものはとても上手かった。目がパッチリして華のある美人ですから舞台栄えもするでしょう。

デュエットでは結構演技も見せてくれましたが、ソプラノは演技のきめも細かく、必要なことをちゃんと身につけているな、という感じがしますが、バリトンはちょっとパヴァロッティ的でもうちょっと工夫したら?と言いたくなります。彼女が観客と目を合わせるようにしながら歌っているのに彼は虚空を見て歌っているというのも気になります。
彼は日本人で言えば渥美清そっくりで、ポギーとベスの一シーンを二人が寄り添いながら歌うところでは失礼ながら美女と野獣という感じがしてしまいました(^^;

しかしとてもいいコンサートでした。秋には昨年行ったBritish Young Operaに再び行って、彼女の演技を確認したいと思います。バリトンもそのうちどこかで見かけるでしょう。何しろ歌はこの実力ですから。
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by dognorah | 2006-04-08 21:07 | コンサート
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