内田光子リサイタル

4月5日、バービカンホールにて。
モーツァルトイヤーということで久しぶりに内田さんがオールモーツァルトプログラムでのリサイタルを開催しました。

プログラム
Fantasy in C minor K.475
Sonata in C minor K.457
Adajio in B minor K.540
(休憩)
Sonata in F K.533/K.494
Sonata in D K.576

(アンコール)多分モーツァルトの何か

休憩後すぐに弾かれたK.533/.494のソナタには参った。モーツァルトの躍動感、情緒豊かな美しさ、曲としてのまとまり、どれをとっても完璧な演奏でこの夜随一ともいえる出来。感動した。さすがである。これだけで来た甲斐があったというものだ。

最初の3曲もすばらしい演奏だったと思うけれど、聴いていていまいち曲に乗り切れない感じがして雑念に悩まされる。ベートーベンもシューベルトもやはりずいぶんモーツァルトの影響を受けているんだということを強く感じるくらい、それらを思い出させる演奏だった。しかし彼女のピアノやピアニッシモはほんとに味わい深く美しい。

1曲目と2曲目は連続して演奏されました。これはモーツァルトがピアニストのTherese von Trattnerという人のためにソナタを作曲したときに、以前作曲した同じハ短調のFantasyを前に置く指示を彼女に与えたことに由来しています。

4曲目のソナタに二つのケッフェル番号が付いているのは、K.533のソナタとしては最初の2楽章であるアレグロとアンダンテしか作曲せず、後に出版に際して以前作曲したロンドを手直しして体裁を整えた上で付け足したことによります。

昨年の同時期以来1年ぶりに彼女のリサイタルを聴いたわけですが、今年もすばらしい音楽を聴けて幸せです。実はモーツァルトのピアノソナタは全くCDでも持っていなくて普段ほとんど聴かない音楽なので楽しめるのかどうかちょっと心配していましたが杞憂でした。それにしてもロンドンでの彼女の人気はすごいものがあります。日本人聴衆の数はキーシンのときよりも少なかった気がしますが。

余談ですが、今月は彼女が弾き振りしたモーツァルトの協奏曲13番と20番のDVDが発売されました。サンプル映像を見た限りではアクションがすごく、とても面白そうです。
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by dognorah | 2006-04-07 18:16 | コンサート
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