現代作曲家 Derek Bermel の作品(4月4日)

c0057725_19131678.jpgデレク・バーメル(左の写真)は1967年生まれのアメリカの作曲家。作品は室内楽、交響曲、ダンス音楽、ポップミュージックなど多彩な作品がある。自身は有能なクラリネット奏者であり、指揮者であり、ジャズやロックの演奏活動もしているユニークな人です。

今日はフィルハーモニアの主催する現代音楽紹介イベントに招かれ、作品3曲が演奏されました。いずれもUK初演で、あとの2曲は欧州初演でもあります。

演奏に先立ち舞台でインタヴューを受けましたが、若いころからサラ・ボーンやスティーヴィー・ワンダーなどのポップ歌手やゴスペルの歌声にとても惹かれ、その感じを器楽で表現することに興味を持ったこと、最近ではポップグループのジェネシスのサウンドに影響を受けて、実際に共演してみたりしたそうです。そのような経験が作品に反映されているという話。

プログラム
(1)Thracian Sketches (2003) for solo clarinet
彼がブルガリアを旅行してThracia地方の民謡を学び、それを基にして書いたクラリネットソロ曲。作曲者自身が独奏して聴かせてくれましたが、ピアニッシモから静かに開始され、親しみやすいメロディながら鋭い音も交えてテンポを上げていく面白い曲です。かなりのテクニックを要するらしく、足をばたばたさせて全身の筋肉を使うかのような熱演でありました。

(2)Twin Trio (2005) for flute, clarinet and piano
これはフィルハーモニア管のメンバーによる演奏でした。木管という同じ縛りを受けているものの違った音を出す2種類の楽器が、これまた同じコードの縛りを受けた2種類の楽想を弾いて絡み合わせていくというものです。それに豊かなメロディを伴ったピアノが加わり、きわめて魅力的な作品になっていると思います。奇妙なメロディが満載ですが、すっかり引き込まれてしまいました。

(3)Soul Garden (2000) for viola and string quintet
これも全員フィルハーモニア管のメンバーによる演奏です。まず弦楽5重奏のヴァイオリンによる序奏があり、すぐにヴィオラの独奏がゆったりとメインテーマを奏でます。そのあと他の弦も加わりゆっくりしたテンポでそのメインテーマを装飾していきます。あまり聴いたことはないけれど、どこかで聴いたかなぁというような奇妙な現代音楽的メロディですが親しみやすく私は好きです。曲の中ほどにカデンツアがありますが、それもメインテーマを敷衍したような形になっています。また、蒸気機関車を思わせるメロディとテンポの部分があったり、その他いろいろな楽想が満ち溢れていて気が抜けないというか楽しめるというか、さすがに作曲者自身が選んだ曲です。

ということでこの作曲家がとても身近に感じられました。特に解釈しなくてもただその音に身を委ねているだけで別の刺激的世界に心地よく浸れます。
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by dognorah | 2006-04-06 19:16 | コンサート
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