ヤコブ・ファン・ロイスダール(Ruisdael)風景画展

c0057725_135079.jpgJacob van Ruisdael (1628-1682)はレンブラントやフェルメールが活躍したオランダ絵画の黄金期に風景画家として名を成した人である。今回欧米各地より油絵が60点程度、デッサンも数十点程度が集められて集中的に見られる展覧会がRoyal Academy of Artsで開催されていたので彼を知るいい機会と思い見てきた。
(左の絵はWindmill at Wijk bij Duurstede, c1670)

17世紀のオランダ絵画は当時からイギリスが最大の購入者であり、そのためイギリス中の美術館で彼の作品を散見する機会が多いので名前は覚えていたが、それほど印象に残るほどの画家でもない。しかしながらゲインズバラ、レイノルズ、コンスタブルあるいはターナーといったイギリスの代表的な画家はすべてこの人の影響を受けたようである。

当時のオランダ絵画の一般的な例に漏れず、彼の絵も写実的な画風が多く、技術的にも非常に精緻であるが、ペンを使ったデッサンなどを見ると舌を巻く上手さである。代表的な風景画は地平線の上に大きくスペースを占める空が特徴で、明るさと見通しのよさが気持ちよい。
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時代を追って見ていくと、若いころの作品は空気が透明で、樹木なども枝葉末節に至るまできちんと描かれているが(上左の例:The Jewish Cemetry, 1655)、年取ってからは景色や空だけでなく空気も描こうとしたのではないかと思わせるやや不透明な感じが出てきている(上右の例:Panoramic View of the Amstel, 1675-81)。

ざっと見てみたものの、この一枚という感じの強い印象を持った絵は見つからなかったが、次の絵は比較的気に入ったもの(Hilly Landscape, 1652-55)。
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大きな樹木を頂点とする三角形と3人の人物が形作る逆三角形の構図が面白いし、右奥の建物がよいアクセントになっている。

Jacob van Ruisdael: Master of Landscape
Royal Academy of Arts (Piccadilly, London)
25 February - 4 June 2006
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by dognorah | 2006-03-20 02:22 | 美術
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