サラステ指揮フィルハーモニア管弦楽団(3月16日)

Queen Elizabeth Hallでの演奏会です。

指揮:Jukka-Pekka Saraste
ピアノ:Simon Trpčeski
管弦楽:Philharmonia Orchestra

プログラム
チャイコフスキー:The Voyevoda, symphonic ballard op.78
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18
シベリウス:交響曲第4番イ短調 op.63

c0057725_9394144.jpg指揮のサラステ、演奏家には珍しく赤いカマーベルトをつけて登場、おしゃれであることを印象付けます。左の写真ではちょっと色がわかりにくいですが、おなかの辺りを見てください。

指揮ぶりは同じフィンランド人のサローネンとは全く違うスタイルで、しなやかな棒捌きながら音楽は切れがよく、美しくもスケールの大きい音を出させます。1曲目はあまり聴いたことのない曲ですが、チャイコフスキーらしいメリハリの効いたいい音をオケから引っ張り出しながらも構成のしっかりした説得力ある演奏で、尋常ならざる指揮者であることがわかります。


ラフマニノフを弾いたトゥルプチェスキは1979年マケドニア生まれの若手です。c0057725_9421994.jpgマイナーなコンクールで数回優勝した経歴がありますが、既に大活躍でEMIが売り出しています。ロンドンでも人気があるのか、演奏後聴衆の数人(すべて女性)が花束やプレゼントを進呈していました。前から見ると髪はふさふさですが、後頭部はこの年齢にして早や薄禿。

ピアノはすごいダイナミックな演奏というわけではありませんが、叙情的な部分の音と演奏は非常に美しい。オケはダイナミックな演奏ながら弦がことのほか美しく(今日の演奏会はずっとそうだった)端麗なラフマニノフが表現されていました。まあいい演奏だったと思います。最後の低音部を叩き終ると同時にぴょんと立ち上がったら指揮者の横にいて直ちに握手なんて振る舞いで興奮を煽り立てるパフォーマンスも心得たもの。アンコールは短い叙情的な曲を1曲。どこかで聞いたことがあるようなメロディながら曲名はわかりません。

シベリウスはさすがにフィンランド人の手にかかると納得するだけという非の打ち所のない演奏だったといえます。私は最近CDでもほとんどシベリウスを聴くことはありませんが、交響曲を聴くとすれば4番とか5番あたりとは思っています。それにしても彼はほんとにいい音を引き出していました。第1楽章冒頭の低弦部による力強くも暗いメロディでぐっと心を掴んだ後、遅いテンポでの金管の咆哮でワーグナーやブルックナーを思わせる大きな世界を広げて見せてくれます。そのあとの楽章も集中力は途切れることなく、暗い部分を浮き彫りにしてこの時期のシベリウスが抱えていた精神的肉体的な苦悩を十分に解釈したものであったと思います。
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by dognorah | 2006-03-18 09:46 | コンサート
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