ニーナ・シュテンメのソプラノリサイタル(3月8日)

ウイグモアホールです。
Soprano: Nina Stemme
Piano: Bénédicte Haid

プログラム
Edvard Grieg: 6 Songs
Richard Strauss: 5 Lieder
(休憩)
Gosta Nystroem: Sånger vid havet
Richard Wagner: Wesendonk Lieder
アンコール2曲

昨年12月、ヴェルディの仮面舞踏会のアメリア役を聴いたときは調子はいまいちという気がしましたが、今日は最初のグリーグからもう絶好調。オペラとリサイタルでは条件がずいぶん違う気がしますが、それにしてもワーグナー歌いらしい骨太の美声が響き渡り、よく伸びる高音が耳にびんびんするヴォリューム。歌唱も陰影が豊かで非常に満足できたリサイタルでした。ピアノ伴奏がまたすばらしく、繊細かつ美しい演奏でニーナをしっかり支えています。

グリーグの作品は多分私は初めて聴くものですが、叙情的な内容ながらなかなか魅力的な歌で聴き応えがあります。北欧の作曲家ということで彼女も共感しているのでしょう。シュトラウスの5曲はかなり明るい調子の歌が多く、先のグリーグと共にプログラムの前半はそういう傾向でまとめたのでしょう。美声の絶叫とも思える歌い方がすごい迫力。

後半のプログラムの最初は母国スエーデンの作曲家を取り上げたもの。かなり暗い内容で、あまりのめりこめる歌とはいえないながら、彼女の表情豊かな声をうっとり聴いている分には不満はありません。ワーグナーのヴェーゼンドンクの歌は不倫的恋愛の情熱で生み出された「トリスタンとイゾルデ」と関係付けられるものですので、かなり情念がこめられた歌といえます。後半のプログラムは従って彼女の表現力を見てもらおうというわけでしょうか。相変わらずの美声ながら重々しい印象を与えてくれました。

c0057725_1003174.jpg写真は暗赤色のビロードドレスを着たシュテンメと伴奏者のハイドです。

私が切符を買ったときはもう前の方の席はなく、やむを得ずバルコニーの最前列を買いましたが、ここがすごく音響がいい。ウイグモアホール自体音がいいのですが、天井に近くなるせいかストール席よりよい気がします。残念ながらすべてのコンサートにこの席が供されるわけではなく、入りのいいものだけに限定されるようです。

先日の中嶋彰子のリサイタルや昨日のキーシンのリサイタルでは日本人の聴衆がいっぱいでしたが、今日は私以外一人も見かけませんでした。このソプラノ歌手、日本ではあまり有名ではないのでしょうか。
日本人はいないけれど、隣のイギリス人のおばさんに「相撲の3月場所はもうやっているか?」なんてとんでもない質問を受けてしまいました。何でも、相撲の大ファンで、最近イギリスのChannel 4というTV曲が放送しなくなったので欲求不満になっているのだとか。
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by dognorah | 2006-03-09 10:10 | コンサート
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