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フィルハーモニア管弦楽団の演奏会(2月16日)

曲目
モーツァルト:序曲「La clemenza di Tito」
モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K453
マーラー:交響曲第4番 ト長調

出演
ピアノ:Piotr Anderszewski
ソプラノ:Sarah Fox
指揮:Charles Mackerras

フィルハーモニア管弦楽団の演奏会(2月16日)_c0057725_9471493.jpgモーツァルトのピアノ協奏曲を弾いたピョートル・アンデルシェフスキは1969年ワルシャワ生れの中堅ピアニスト(左の写真)です。国際的に結構活躍しているポーランドのピアニストが、ショパンコンクールに出たことがあるという話が無いのが不思議です。
モーツァルトにふさわしいまろやかで透明な音色で、とても気品ある演奏でした。カデンツァでは強弱と緩急を効果的に組み合わせて味のあるテクニックを垣間見せてくれます。マッケラスの指揮も切れがよく、まとまりのある仕上がりとなっていました。好演というべきでしょう。

マーラーの4番は、最初の二つの楽章がちょっと音量を制御しすぎの感がありスケールが小さくて迫力が不足、ややまとまりに欠ける嫌いがありましたが、第3楽章になって大きなスケールでうねり出し、期待したマーラーの世界がたっぷりと出現しました。第4楽章もサラ・フォックスフィルハーモニア管弦楽団の演奏会(2月16日)_c0057725_948394.jpg(左の写真)の張りのある美しい声もあってスムーズでとてもまとまりのある演奏です。オケはとてもすばらしい音とアンサンブルでした。
昨年夏にPROMSでガッティ指揮のロイヤルフィルの演奏で同じ曲を聞きましたが、マーラーはガッティに軍配が上がると思います。マッケラスはオペラの方がもっと安心して聴ける感じです。80歳を超えてもまだまだ元気ですが。

なお、サラ・フォックスはイギリス生まれでRoyal College of Music出身、やはり中堅歌手といえるでしょう。先般公演されたロイヤルオペラの「ジークフリート」ではジークフリートにブリュンヒルデの存在を教える鳥の役をしていました。時期は不明ですが、次回ROHでドン・ジョヴァンニを上演するときはツェルリーナ役で出演することが決まっているようです。
by dognorah | 2006-02-17 09:49 | コンサート | Comments(8)
Commented by Sardanapalus at 2006-02-18 00:42 x
マッケラスのマーラー…かなりのファンですが、聞きに行くかどうか微妙ですねぇ(^_^;)やっぱり彼の指揮ならモーツァルトか東欧系の作曲家の曲が聴きたいです。でも、逆にマーラーを指揮するのはかなり珍しいことなのでは?貴重な体験でしたね。

>次回ROHでドン・ジョヴァンニを上演
おおお~個人的に非常~に気になります!タイトルロールは誰だろう??
Commented by dognorah at 2006-02-18 03:11
マーラーを振る人という評判はないですよね。でも後半はよかったのでかなりブラヴォーが出ていましたよ。

>タイトルロールは誰だろう??
次シーズンの発表は4月ですね。楽しみにして待ちましょう。その頃はまたロンドンに戻りますか?
Commented by 助六 at 2006-02-18 08:34 x
アンデルジェフスキは10台でフランスに来てストラスブールやリヨンの音楽院で学び、カリフォルニアでも勉強してパリ在住というから、ショパンに出たことがないらしいのもその辺とも関係あるのかも知れません。勿論仏語も上手です。2回リサイタルを聴きましたがバッハ、シマノフスキでは品と確かな音楽性を感じさせるものの、仏でディスクの評価が高かった「ディアベリ」ではさすがに音楽の大きな形を造る力はまだまだという印象でした。
マッケラスのマーラーとは貴重ですね!私にはヤナーチェクの「死の家より」と「女狐」の奇跡的名演(小生のオペラ経験の頂点の一つ!)とモーツァルト・グルックの超凡演の落差が印象的な指揮者です。よく分からん。
Commented by dognorah at 2006-02-18 21:45
助六さんこんにちは。アンデルジェフスキは10代からフランス在住ですか。故国との縁は薄いわけですね。
マッケラスはチェコに留学してチェコ語をものにし、ヤナーチェクのオペラに精通して歌手にチェコ語で指示を出すほどだそうですが、その彼が先般ROHで「売られた花嫁」の英語上演を指揮したとは裏切られた思いです。
Commented by Sardanapalus at 2006-02-18 22:36 x
マッケラスは、え~と何でしたっけ、アメリカ生まれ、オーストラリアとチェコで指揮修行、イギリスでオペラ指揮デビュー…でしたっけ?バイオグラフィーからしてよく分からん(笑)指揮者ですよね。大好きですけど。

>「売られた花嫁」の英語上演を指揮
彼は原語上演に拘らないことで有名のようですよ。逆にENOとWNOの音楽監督とかしていたし、「イギリスなら英語で上演するのがいい」とか言ったりしてます。何せあのChandosのOpera in Englishでもモーツァルトとかスメタナとかよく録音してますしねぇ。
Commented by dognorah at 2006-02-18 23:34
さすがファンだけあって詳しいですね。原語上演にこだわらないというポリシーなら文句言えません。これからもやりますね。
Commented by ???? at 2006-02-23 16:35 x
アンデルシェフスキは今度、N響の演奏会でデュトワと共演するみたいです。(暇だったら聴きに行こうと思います。)http://www.nhkso.or.jp/schedule/regular_2006_4.shtml
Commented by dognorah at 2006-02-24 02:31
????さん(というお名前なんですよね?)、デュトワとの共演なんて面白そうですね。しかもモーツァルトの20番!ぜひ聴いてください。
N響いまはCプロまであるんですね。
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