Mikhail Pletnevの弾き振り(1月31日)

プレトニョフがフィルハーモニア管弦楽団を指揮したコンサートがクイーン・エリザベス・ホールでありました。すべてモーツァルトのプログラムです。この演奏会は生誕250年に合わせて1月26、27、28、31日と4回にわたってロンドン→カンタベリー→ベッドフォード→ロンドンと場所を移して演奏されたもので、その最後のコンサートです。

 ピアノと管弦楽のためのロンド ニ長調 K382
 ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K466
 交響曲第40番 ト短調 K550
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ピアノの弾き振りをやった曲は写真のように舞台左側にピアノを置き、オーケストラはそのピアノを見ながら右側に展開するという配置で、ヴァイオリンとヴィオラは裏側を観客に向けることになります。指揮しやすいということでプレトニョフが考えたのでしょう。
オケは小編成で、弦は協奏曲では8-6-6-4-2という構成で、交響曲では10-8-8-4-2でした。

小品のロンドはなんとものどかな曲で、直前に飲んだ350ccのワインが効いて時折気が遠くなりながら気持ちのよい時が流れます。

20番の協奏曲は27曲の中でも好きな方なので期待して聴きました。第1楽章はテンポが遅めで、楽章を追うにつれて早くなりますが、テンポの揺れもかなりあります。ピアノは控えめな音量で小編成のオケにも拘らず協奏曲というよりは交響曲の一楽器という印象でした。カデンツァでようやくピアノの存在感を示しますが、それでも一音一音を丁寧に鳴らせるスタイルでダイナミックさは敢えて避けている気がします。また、3つの楽章はほとんど切れ目なく演奏されます(お陰で各楽章の頭で咳だらけ)。これらの演奏スタイルはこの曲に対する彼の解釈なのでしょうけれどやや戸惑いを感じます。この曲の持つ触ると壊れるガラスのような繊細さを強調しようとしている気がしますが、私はデモーニッシュさを強調する演奏の方が好きです。第3楽章のカデンツァが済んだ後あたりからはさすがに暗さを抜け出したモーツァルトの明るさと希望を祝福するかのようなダイナミックでテンポの速い演奏で締めくくりましたが、そのせいか結構まとまった演奏だったという印象はちゃんと残りました。

休憩後の40番、第1楽章は速いテンポで軽やかに飛ばします。切なさをたっぷり感じることが出来ます。しかしそれにしても早い。第2楽章は落ち着いて、テンポ的には普通でした。美しい表現です。第3楽章に入ってまた早くなります。中間部はさすがにゆっくりでしたが。第4楽章はまたすごく急ぐこと。終演後に何か予定があるのでしょうか、プレトニョフさん。カード遊びの予定に間に合わせようとしてウイーンフィルの演奏会でほんとに駆け足で演奏を終わらせたというR・シュトラウスのエピソードを思い出してしまいました。
まあしかし、これはこれで一つのスタイルなのでしょう。私はちょっと感心しませんでしたが。昔、小沢征爾が始めてウイーンフィルでモーツァルトを振ったとき、「モーツァルトはこんなに早く演奏するものではない」と楽団員から文句を言われたそうですが、プレトニョフが振ったらどうなるでしょうか。
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by dognorah | 2006-02-01 23:19 | コンサート
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