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トランペットとオルガンのリサイタル(1月19日)

トランペット: James Fry
オルガン: Riccardo Bonci

トランペットのフライはオーストラリア生まれで、Royal Academy of Musicを卒業後、イギリスでオーケストラやブラスバンドで活躍している人です。
オルガンのボンチはイタリア生れの30歳、当初はイタリアで音楽教育を受けましたが、その後Royal Academy of MusicのPostgraduate courseを卒業し、欧州全域でソロや室内楽活動をしています。

曲目
Charpentier:Te Deum Prelude
Hovahness:Sonata
Bach:Concerto in A minor after Vivaldi BWV593(オルガン独奏)
Hovahness:Prayer of St. Gregory
Messiaen:Offerande et alleluja finale(オルガン独奏)
Brahms:Es ist ein Ros’ entprungen(オルガン独奏)
Eben:Okna (Windows)、Red and Gold Windowsのみ。

この二つの楽器の組み合わせによる曲が珍しいし、会場のハイドパークチャペルのオルガンを聴きたいと常々思っていたこともあって楽しみにしていました。
コンサートは、トランペットがとても上手で微妙なニュアンスも苦もなく表現するテクニックに感心しました。
トランペットとオルガンのリサイタル(1月19日)_c0057725_20565964.jpg

オルガンは上の写真に示すように伝統的な教会とは違うせいか近代的で珍しいパイプ配置ですが、残念ながら音質はあまりよくありません。ちょっと薄っぺらい音で、腹に響く重低音は期待できません。演奏後にオルガン奏者に楽器の評価を聞いてみましたが、楽器そのものはなかなかよいけれどメンテ不足と会場がかなりデッドであることから特定音域でちょっと奇妙な音になるんだ、といっていました。それにもかかわらず、メシアンのオルガン独奏曲はとてもすばらしいと思いました。楽器の持つ可能性をとことん引き出すような曲で、オルガンでもこんな近代音楽にふさわしい音が出せるんだということにまず感心。それでいてオルガンが持つ本来の魅力も備えています。

トランペットとオルガンの二重奏は、アメリカの作曲家ホヴァーネスの作品とチェコの作曲家イーベンの作品が面白いと思いました。
このイーベンのものはエルサレムのヘブライ大学にあるシャガールの12枚のステンドグラスから啓示を受けて作曲されたもので、それらを青、緑、赤、金の4つのグループにくくって4部構成になっています。演奏前にそのステンドグラスの写真を回覧して見せてくれました。参考までに12枚のうちから各色4枚を選んで写真に示します。
トランペットとオルガンのリサイタル(1月19日)_c0057725_20574217.jpg

なお、溺死した少女が生前にこれを見て感動したエピソードを聞いてシャガールがイギリスの教会のために製作したものを見学したときの記事がありますので興味がある方は参照してください。
by dognorah | 2006-01-20 20:59 | コンサート | Comments(0)
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