オペラ、ビリー・バッド公演(12月8日)

ブリテン(Benjamin Britten)のオペラをENO(English National Opera)の公演で見てきました。メルヴィルの同名の小説をもとにE.M.ForsterとEric Crozierの二人が台本を書いてブリテンが作曲したものです。

主なキャスト
Billy Budd: Simon Keenlyside
John Claggart: John Tomlinson
Captain Vere: Timothy Robinson

Conductor: Andrew Litton
Director: Neil Armfield
Orchestra: ENO Orchestra

あらすじ
フランス革命後、英仏は戦争状態にあったが、そのときの英国の軍艦内での物語。
ビリー・バッドは下士官ジョン・クラガートの面接を受けて新たな水兵として雇われる。しかし元気がよすぎる彼のことを革命支持派ではないかと疑いを持ったクラガートは彼を破滅させようと考えるようになる。そして、彼のスカーフを奪った上、それにフランスのコインを隠して船長に讒言する。船長室に呼び出された彼は詰問されるが当然否認する。証人として現れたクラガートが例のコインをスカーフと一緒に披露すると、ビリーは怒り心頭に発し、クラガートをその場で殴り殺してしまう。逮捕された彼は船内で裁判にかけられ、上官を殺した罪で死刑を宣告される。船長には特赦の権限があったが彼はそれを行使せず、彼の死刑は確定し執行される。その後、船長はそれを悔やみ生涯のトラウマとなって彼を苦しめる。

で、オペラはというと死ぬほど退屈でした(^^;
それを加速した要因は3つあって、まず英語劇なので字幕が出ず、細かいニュアンスが理解しにくいこと(ロイヤルオペラでは英語劇でも字幕が出ます)、天井桟敷の座席が奥行きのあまり無い椅子で背もたれが垂直なので、長時間の観劇ではつらい、時差ぼけで眠かった(前日の仮面舞踏会では内容に惹かれて全くそんなことは無かった)、ということです。

目的がキーンリーサイドとトムリンソンの声を聴くことで、それはさすがと満足したし、ブリテンの音楽は魅力的であったので音楽的にはなかなかよかったのですが、オペラとしては魅力的なアリアは無く、筋も大して面白いものではないので、これはCDを聴くだけで十分かなと思いました。よっぽど途中で帰ろうかと思ったのですが、もう見ることは無いこのオペラを最後まで全部見ておこうと思って我慢しました。

歌手は全般によかったのですが、船長をやったロビンソンは心地よい柔らかい声ながら、感情表現が乏しく平板な歌い方です。あれで最初から最後までやられるとちょっと飽きが来ちゃいます。その辺はやっぱりキーンリーサイドとトムリンソンはうまく、聞き惚れます。しかしキーンリーサイドのよく動くこと、並みの歌手ではあの運動量はこなせませんね。

舞台はシンプルで、大きな回転する台座があって、その上板が上下に昇降したり傾いたりするだけの装置です。でもそれをうまく使って、甲板になったり部屋になったりするのですが、机や椅子の小道具の助けで違和感はありませんでした。衣装は現実的なもので当時の軍服を再現していましたが、舞台を盛り上げるためには必要だと思います。
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写真は、右からアンコールに応えるトムリンソン、キーンリーサイド、ロビンソン(下着姿)です。
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by dognorah | 2005-12-09 23:00 | オペラ
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