ダスティン・グレドヒルのピアノリサイタル(11月12日)

c0057725_1037185.jpgハイドパークチャペルはThe Church of Jesus Christ of Later-Day Saintsという教会に付属した施設ですが、この教会の本部はアメリカのユタ州にあります。
そのユタで生まれ3歳からピアノを学んできたDustin Gledhillという人が今日の出演者です。180cmぐらいのスマートな長身で、育ちの良さを感じさせる雰囲気を持っています。彼はすべての教育をアメリカで受けてきたのですが、現在はRoyal Academy of Musicの教授についてさらに勉強しているとのこと。すでにアメリカ国内はもちろん、ロシア、ドイツ、オーストリア、イギリスなどでリサイタルを開き、CDもいくつか出している経験豊富な人です。

プログラム
ドビュッシー:エチュード第2巻から
       7 - Pour les Degres Chromatiques
       11 - Pour les Arpeges Composes
       12 - Pour les Accords
リスト:Funerailles-
    Harmonies Poetiques et Religieuses No.5
ショパン:ソナタ第3番 ロ短調 作品58

音色のきれいな人でダイナミックな音の幅も広い。ドビュッシーの世界にどっぷり浸らせてくれたかと思うと一瞬後にはリストの世界を展開し、さらにちょっと間をおいてショパンそのものという雰囲気を現出させると共にその繊細でダイナミックな音楽を余すところ無く描出してくれる。それぞれの作品すべてをとてもわかりやすく演奏したと言う感じであるが、感銘が深かったので自然にブラボーと叫んでしまいました。多くの聴衆もここでは珍しいStanding ovationを捧げていました。

このハイドパークチャペルの新しい世話役は、終了後の演奏者と聴衆の交流を奨励するというすばらしい方式を実践する人で、今日は私が一番に彼に話しかけることが出来た。すばらしい演奏に対するお礼を言ってから、訊きたいことを1-2訊いてみました。
「あなたはアメリカでほとんどの教育を受けてここまですばらしい演奏をすることが出来ている。そのあなたが敢えてイギリスに来て勉強しているということは、なぜ?」
彼の答えは、予想通りでした。
「リサイタルなどを通じて欧州の演奏家とも交わり、自分が受けてきた教育に無い何かを感じた、つまりアメリカとヨーロッパで音楽に対する接し方が違うということに気づいて、こちらでも勉強してみようという気になったのです」

この人はプラスアルファを得て一段とスケールが大きくなるかも知れないという予感を感じました。もっといろいろ訊きたいことがあったのですが、ほかの人たちも順番を待っているので割愛しました。掲載した写真は、彼に撮らせていただいたものです。

フンメルさんのブログに載っているケント・ナガノ氏のインタヴューを読んだ後にこのコンサートに行ったのですが、何か共通項を見つけたような気になりました。
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by dognorah | 2005-11-13 10:47 | コンサート
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