ロイヤルオペラの若手歌手発表会 -10月17日

ロイヤルオペラハウスは若手音楽家育成のために、Jette Parker Young Artists Programmeという制度があります。オーディションを経て見込みがあると思われる20代半ばから30代半ばの歌手10人、指揮者2人、演出家1人、歌手コーチ(repetiteur)1人を2年間鍛えるプログラムで、彼らの身分はオペラハウスから給料を貰うプロです。したがって歌手の場合は結構頻繁に実際にステージに登場します。Jette Parkerというのはスポンサーの名前で、以前はVilarという名前でした。

そして今日はそのうちの8人の歌手による発表会で、1時間半にわたって開催されました。おそらく1年に1回しかやらない大きなイベント(無料)なのでしょう、オペラハウスの第2ステージLinbury Studioはぎっしり満員でした。すべてオペラのアリアで、二人でやる場合はちゃんと演技もしながら歌います。伴奏はこのプログラムのディレクターDavid Gowlandによるピアノだけです。

発表者と国籍
Ana James(ソプラノ)ニュージーランド
Marina Poplavskaya(ソプラノ)ロシア
Katie Van Kooten(ソプラノ)アメリカ
Liora Grodnikaite(メゾソプラノ)リトアニア
Nikola Matišić(テノール)スウェーデン
Robert Murray(テノール)イギリス
Andrew Sritheran(テノール)ニュージーランド
Robert Gleadow(バス)カナダ

イギリス人が一人だけというのは驚きです。この段階ですでに国際的な競争にさらされているわけですね。
曲目はいろいろなオペラのシーンが11ありましたが、1回しか出ない人もいれば3回も出る人もいて様々です。また、Katie Van Kootenのようにすでに「ミトリダーテ」や「マスカラーデ」で比較的重要な役を歌った人もいれば、Robert Murrayのようにランチタイムコンサートで「美しき水車屋の娘」を歌ってくれた人もいて、何人かはお馴染です。

さすがにしっかりと訓練を受けてきた人たちだけあって、みんな演技がとてもうまいし、歌も表現力がなかなかのもの。その中で敢えて印象深い人を選べば、女性ではKatie Van KootenとLiora Grodnikaite、男性ではRobert GleadowとAndrew Stritheranというところか。Katieのことはすでに述べましたが、Lioraも「ラインの黄金」で見ています。またRobertはつい先月の「ドン・セバスティアン」に登場済み。非常に低い音に迫力があるわけではないのですが、安定した心地よいバスです。Andrewは堂々たる体躯でアクートも強く、カヴァラドッシの「星は輝き」を見事に歌っていました。

彼らは来年の7月までさらに研鑽を積むわけですが、その間ランチタイムコンサートにも順番に出演してくれます。もともとプロ歌手としての素養のある人たちですから今後どのようにチャンスを掴んで行くかが重要でしょう。活躍を応援したい気持ちです。
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by dognorah | 2005-10-19 01:01 | コンサート
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