Music of Today(現代音楽紹介) -10月6日

フィルハーモニア管弦楽団が現代音楽普及の一環として行っている活動に標記題名のフリーコンサートを行っているが、毎回一人の作曲家を選んで舞台での対談も含めていくつかの作品を演奏するものである。いつもはロイヤルフェスティヴァルホールで開催するところ、大幅な改修工事のため向こう2年間はQueen Elizabeth Hallという小ぶりなホールでの開催となる。

c0057725_044672.jpg今シーズン幕開けはJonathan Harveyという1939年生まれの作曲家を取り上げた。この人は器楽曲からオペラまであらゆるジャンルの音楽を作曲している。電子音楽の作曲でも第1人者とされているらしい。今年66歳であるが、まだまだ現役で、長身の元気な姿を聴衆の前に見せていた。現在は、オランダ歌劇場のためにオペラを作曲中という。

演奏
ヴィオラ独奏:Vicci Wardman
ソプラノ:Clair Booth
指揮:David Porcelijn
アンサンブル:フィルハーモニア管弦楽団メンバー

今日のプログラム
Jubilius (2003) (ヴィオラとアンサンブルのための) UK初演
Song Offerings(1985) (ソプラノとアンサンブルのための)

Jubiliusは演奏時間15分ぐらい。Radio Franceの委嘱作品。各楽器とも高音の音域を主に使って、短いフレーズを複雑に絡ませる。アンサンブルは通常楽器を使うものの、鳴らし方は様々。弦楽器では弓を使ったり、櫛のようなもので弾いたり、ギターの爪でピチカートをやったり。独奏のヴィオラとパーカッションが高音での掛け合いみたいに演奏するのが印象的。指揮者は見事にアンサンブルを統率していた。わかりやすい音楽とはいえないが、現代音楽らしい刺激的で新鮮な音であった。

Song Offeringは、Rabindranath Tagoreというカルカッタ生まれの詩人が書いた詩「Gitanjali」の著者自身による英訳に基づいて作曲されたもの。ある男を愛する女性がその愛を通して神の声を聞き、二人の愛を昇華させて死を超えた存在にさせる過程に喜びを見出すという内容。全体は4部で構成される。ここでも楽器の出す音はいろいろ工夫されている。たとえば、ベース奏者が弓で蝋燭台のような金属を弾いてキーンという音を出したり、それを叩いてチーンと鳴らせて見たり、あるいはピアニストに口笛を吹かせたり。ピアノも最高音部が主に使われる。しかし主役はあくまでもソプラノで、当然ながら歌詞の進行に合わせて表現も変わる。ソプラノが発する声はいつも鋭いというわけではなく、音楽全体としては先ほどの曲よりもわかりやすい。

次回は日本の作曲家、細川俊夫氏が取り上げられる予定である。
[PR]
by dognorah | 2005-10-08 00:49 | コンサート
<< ドガの影響を受けた画家たち(その1) 弦楽四重奏リサイタル -10月6日 >>