ドビュッシー、ラヴェルの全ピアノ作品連続演奏会(1)

緊急の仕事が入ってすっかりブログの更新を休んでしまいました。ちょっと一段落つきましたので再開いたします。

ピサロ(Artur Pizarro)というピアニストが6回にわたって標記のコンサートをやることになっており、その第1回が9月29日に開催されましたので聴いてきました。
作曲年度の古い順に演奏するとのことで、生年が13年違うことからこの日はドビュッシーの作品のみでした。ちなみに、Claude Debussy(1862-1918)、Maurice Ravel(1875-1937)です。

c0057725_19561683.jpg演奏者のピザロ(左の写真)は1968年ポルトガル生まれで、現在はイギリスに在住です。1990年のLeeds International Piano Competitionで優勝したのが唯一のコンクール歴で、そのあとは独奏、室内楽、協奏曲で世界中を演奏旅行(東京にも行ったらしい)しているようですが、名前も実演も私は今回が初めてです。2003-4年にベートーベンのピアノ曲を全曲演奏し、その後CDにも録音しています。舞台では眼鏡をかけてとても穏やかな顔で演奏していますので、この写真とは大分印象が違います。

本日のプログラム
1880年から1894年までのドビュッシーの作品。

Intermède
Danse bohémienne
Deux arabesques
Ballade
Rêverie
Suite bergamasque
Danse – Tarantelle styrienne
Valse romantique
Mazurka
Nocturne
Images oubliées

最初の曲からもうドビュッシーそのものという感じがします。ただ、4曲目ぐらいまではかなりおとなしく、楽想を譜面にしただけと言えなくもありませんが、5曲目のRêverieあたりぐらいからあとは奔放な彼独特の音楽がいっぱいとなります。ベルガマス組曲以外は初めて聴くのではないかという作品ばかりですが、その中でMazurkaはとても気に入りました。ショパンのそれとはまったく違うものですが。
最後の曲は有名な「映像」という曲とは違うもので1894年に作曲されながら、出版は1977年らしい。3楽章構成で、短いですが佳品と思います。後年の「映像」や「版画」でもここで使われたフレーズを展開したものがあるように思います。友人の10代の娘Yvonneから受けた印象が強くて作曲したものいうことですが、余談ながら彼女は非常に魅力的な人らしくルノワールを含む多くの画家が彼女の絵を描いています。

会場(St John's Smith Square)は約4割ぐらいの入りで、演奏者にとってはちょっとがっかりでしょう。BBC Radio 3で生放送していましたが。

演奏は一言で言ってとても楽しめました(これが一番!)。
すべての曲を譜面を見ながら演奏したのはちょっと気になりますが、とても詩情あふれる表現です。テンポは全体にゆっくり目ですが、かなり緩急もつけ、フォルテの早いパッセージでも指が乱れることなく美しい和音を響かせます。私の好きなドビュッシーを何の違和感もなく聴かせてくれましたので満足です。
こういう演奏会ではアンコールに何を弾くのかしらと思っていたら、「牧神の午後への前奏曲」のピアノ版でした。いいアイデアですね。

この美しい音を出すピアノはあまり見たことのないBlüthnerの製品でした。調べてみると、なんとドビュッシー自身がこの会社のグランドピアノを自宅で使っていたのですね。彼はフランス製より豊かな音が出るドイツ製のピアノを好んだそうで、後年Bechsteinも追加購入したということです。ピサロは恐らくそれを考慮して今回はこれを選んだのでしょう。

今後毎月(12月は除く)1回ずつリサイタルを開き、来年3月で終了します。これからも行くかどうかは未定ですが、何回かは行くでしょう。
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by dognorah | 2005-10-01 20:02 | コンサート
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