弦楽8重奏団のリサイタル -9月12日

9月も中旬になり、ロンドンもほぼ休暇シーズンが終わって街は以前のように多くのビジネスマン(ウーマン)が行き交っています。昨日までの3日間雨模様だったのに、8月下旬に戻ってきた夏はあまり衰えを見せず、今日も歩いていると汗ばむ陽気でした。

さて、今週から各地の昼休みの無料コンサートも新しいシーズン入りです。その中でも最も聴き応えのある演奏を披露してくれるロイヤルオペラハウスのランチタイムリサイタルも今日から幕開けで、早速行って来ました。

ヴィヴァルディ:弦楽器のためのコンチェルト
バルトーク:ルーマニア舞曲集
メンデルスゾーン:8重奏曲 作品20
演奏:The Prince Consort Ensemble

この団体は、ロンドンの音楽大学Royal College of Musicのヴァイオリンの教授Dona Lee Croftの主宰でこの学校の卒業生および現役の学生を集めて2001年に結成されました。各地で演奏会を開いてきましたが、この秋には欧州とアメリカへの演奏旅行を予定しています。第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが2名ずつで、ヴァイオリントップにこの教授が座ります。写真は終演後のものですが、一番左が教授です。
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ヴィヴァルディは演奏時間が5分程度の小品ですが、始まったとたん「ああ、これはうまい!」と思いました。小さな部屋でしかも目の前で演奏されるのでホールの響きが加味されない生の音が直接耳に届く状況なのに各楽器の音もアンサンブルも文句なし。とても心地よい音楽です。音楽そのものに没頭できます。
バルトークはハンガリー人なのにルーマニア舞曲を作っていたことは知りませんでしたが、全体に舞曲らしい陽気さはあまりなく郷愁を誘うような親しみやすい作品です。これも演奏時間が10分程度の小品ですが、各曲のニュアンスを多彩に弾き分けていてよく練れた演奏でした。
メインのメンデルスゾーンは、室内楽の範疇ながらとてもスケール感のある曲で、彼の何か深い思索が込められている重い曲という印象です。全楽章を通じて、演奏からはそういう深い精神性が垣間見えます。
とにかく演奏のレベルが高い。海外演奏旅行はこのレベルを保っている限り成功間違いなしでしょう。幕開けからこんなすばらしい演奏を聴けてとても幸せな気分でした。

このランチタイムリサイタル、先シーズンは個人名のスポンサーが付いていたのですが、今日はロイヤルオペラハウス自体の主催、つまりスポンサーなしです。ちょっと先行きに不安を感じました。スケジュールは11月ぐらいまで発表されていますが。
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by dognorah | 2005-09-13 02:07 | コンサート
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